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データ変換とは?ビジネス上の重要性と手法を詳しく解説
データ活用やDX、AI の推進が日進月歩で進む中、多くの企業が多様なSaaS / データベースからデータを収集してデータウェアハウス(DWH)に統合、アナリティクスに活かすためのデータ分析基盤の構築に取り組んでいます。
そのため、分析に活用するミッションクリティカルなデータの多くがDWH に格納されており、DWH 上のデータ品質の担保は一層重要な課題となっています。
データパイプラインにおいて、こうしたデータ品質の担保に欠かせないステップがデータ変換です。一方、データ変換はETL(抽出、変換、ロード)処理の中で最も複雑で手間のかかるステップです。シンプルなデータの型変換から、集計や統合を伴う複雑な処理まで必要に応じてさまざまな処理が必要になります。
本記事では、そもそもデータ変換とはどんな処理なのか、なぜビジネスに重要なのか、どのような変換処理があるのか、そして複雑なデータ変換処理をシンプルに実現するツールをご紹介します。
データ変換とは?
データ変換とは、データ形式・データモデルを分析に最適な形に変更する一連のプロセスのことです。変換はETL / ELT で最も重要なステップであり、データソースから抽出したデータをデータ転送先のデータベースにフィットする形式に変換する処理を指します。
ETL パイプラインでは、変換を実行することで格納先のDWH に最適な形にデータを変更してからデータを移動します。ELT であれば、データをDWH に移動した後でDWH の機能を活用してデータを変換します。分析ニーズに応じて、カラムのデータ型やファイルの種類の変更、エンコーディングの変換など必要に応じてさまざまな変換処理を実施する必要があります。こうした変換処理は、ルックアップテーブルの活用や他のデータとの結合、またSQL やPython でスクリプトを書くといった方法で実装します。
データ変換の5ステップ
データ変換では、データアナリスト、データエンジニア、データサイエンティストが主に以下の5つのステップを実行していきます。
- データプロファイリング - データプロファイリングのステップでは、変換前のデータの特性と品質を把握して、変換時に何をするべきか判定します。
- データマッピング - データマッピングのステップでは、データソース間のフィールドと要素をマッチしてどのような変換が必要か判定します。
- 変換ロジックの作成 - このステップでは、データ変換用のツールやスクリプトを書いてデータ変換に必要なロジックを実装します。
- 変換ロジックの実行 - このステップで、集計、形式の変換、マージといった操作を活用してデータを実際に変換します。
- レビュー - 最後に、出力されたデータが変換の要件を満たすことをテストします。
データ変換を実行する4つのメリット
- データから最大の価値を引き出す - データ変換を利用することで、企業はデータを標準化してデータへのアクセスや利便性を向上し、社内でのデータ活用を促進できます。
- データ管理をより効率的に - データ変換を行うことでメタデータを整形・標準化できるので、データセットにあるデータを整理し、よりよく理解できます。
- クエリ実行の高速化 - 変換されたデータは標準化された状態でDWH に格納されるので、必要なときには簡単に取り出して利用できます。
- データ品質の担保 - データを変換することで、整合性の取れない値や重複、欠損値といったデータ品質にかかわる問題を解決できます。
データ変換のビジネス上の重要性
データを効果的な意思決定やアクションに繋げるために、多くの企業が受発注、Web、トランザクション、顧客ログ、モバイルアプリなど多様なデータソースから莫大なデータを収集しています。データ変換を活用することで、こうした大量のデータをすぐに分析に活用できる形式に保つことができます。
変換したデータは、以下のようなデータドリブンな業務に活用できます。
- データアナリティクス - 経営や業務上の意思決定に欠かせないダッシュボードを構築したり、BI ツール・分析ツールでの可視化・分析を実現するために活用できます。
- データ品質 - データエンジニアリングチームは、変換をとおして生データが持つ問題を解消し、変換されたデータを検証して品質を担保できます。
- 機械学習・AI - 変換したデータは、予測モデルの構築といったAI・データサイエンス業務に活用できます。
データ変換の手法
データ変換はマッピングから始まります。データマッピングの過程で、あるシステムのデータをどのように変換して同期先となるDB / DWH で統合するかを定義します。
データ変換には、ETL とELT という大きく2つのアプローチが存在します。
- ETL - ETL は、抽出したデータをステージングエリアに格納し、データ変換を実行た後でデータウェアハウスに移動する方式です。
- ELT - ELT は、抽出したデータをデータ分析基盤にロードして、分析基盤上で変換を実行する手法です。
主に2つの要因で、ELT によるDWH 内での変換を重視するユーザーが増えています。
- BigQuery やSnowflake、Databricks といったモダンなDWH は、高いパフォーマンスで変換を実行できる
- 変換をデータエンジニアやアナリストが使い慣れたSQL で記述できる
データ変換の重要な処理を紹介
基本的な変換処理
- 重複削除 - レコードに重複があると、分析結果を大きく歪めてしまいます。そのため、重複削除は基本的な変換の1つです。
- 形式やデータ型の変換 - 日付・時間や単位、文字エンコーディングの変換は、特にグローバル企業であれば一般的な課題です。
- クリーニング - NULL 値のハンドリング、性別には"M"と"F"を使うなどの標準化、外部キーの一貫性の確保、といったデータクリーニングは分析に大きな影響を与えます。
高度な変換処理
- 述語フィルタ - フィルタリング条件を満たしたデータだけをロードする
- 集計 - BI ツールの主要な機能であり、値をビジネス指標としてさまざまなレベルで集計して保存しておきます。
- 分割 - 単一のカラムを複数のカラムに分割する処理です
- データ検証 - シンプルな"if/then"での計算、複数値での評価
- 結合 - 一般的なデータベース内での結合や、API または非構造化データの結合が必要な場合もあります。
データ変換の課題
データ変換を実行する際には、意識しておくべき課題がいくつかあります。
- 実装は複雑になりがち - データ変換プロセスの実装には多くの時間と開発コストがかかります。そのため、データ量、開発リソースや利用するツールに応じて、実装にかかるコストもかさむ傾向にあります。
- データ管理の制約 - 新しいアプリケーションや新規テクノロジーが生成する大量のデータを管理するのは大きな課題です。
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