各製品の資料を入手。
詳細はこちら →CData
こんにちは!ウェブ担当の加藤です。マーケ関連のデータ分析や整備もやっています。
CData Sync は、数百のSaaS / DB のデータをMySQL HeatWave をはじめとする各種DB / データウェアハウスにノーコードで統合・レプリケーション(複製)が可能なETL / ELT ツールです。本記事では、PostgreSQL データをCData Sync を使ってOracle Cloud Infrastructure(OCI)上のMySQL HeatWave に統合するデータパイプラインを作っていきます。
CData Sync は、レポーティング、アナリティクス、機械学習、AI などで使えるよう、社内のデータを一か所に統合して管理できるデータ基盤をノーコードで構築できるETL ツールで、以下の特徴を持っています。
CData Sync では、1. データソースとしてPostgreSQL の接続を設定、2. 同期先としてMySQL HeatWave の接続を設定、3. PostgreSQL からMySQL HeatWave へのレプリケーションジョブの作成、という3つのステップだけでレプリケーション処理を作成可能です。以下に具体的な設定手順を説明します。
CData Sync を使ってPostgreSQL をHeatWave に連携するには、以下の二つの方法があります。
今回はより簡単にセットアップ可能な①の方法をご紹介しますが、自社の環境に応じて①と②、どちらの方法を採用するかご検討ください。②の方法でHeatWave と連携する場合は、こちらの記事を参考にしていただけます。
CData Sync は無償トライアルを提供していますので、以下からダウンロードしてお試しください。
無償トライアルへ本手順では、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)上にMySQL HeatWave、およびCData Sync を用いたデータパイプラインを構築します。構成は以下のとおりです。
MySQL HeatWave のインスタンスについては、事前に作成しているものとして進めていきます。未作成の場合は、OCI の記事を参考に作成してみてください。
それでは、OCI に接続に使用するLinux インスタンスを作ってみましょう。
外部からのアクセスポートはssh 接続のみ許容していて、予めssh キーのキー・ペアを生成しておき、秘密キーをダウンロードしています。
また、Linux 上のCData Sync へのアクセスにはOCI 上の仮想ファイアウォール、およびOS 上のファイアウォールの設定が必要になります。設定には、スマートスタイル社のこちらの記事を参考にしていただけます。
次に、MySQL HeatWave に今回使用するテーブルを作成して、Linux インスタンスにCData Sync をインストールしていきます。
まずは、MySQL 上に今回PostgreSQL のデータを同期するテーブルを作っていきます。
最初に作成したLinux インスタンスに接続しましょう。各環境でのインスタンスへの接続方法はOCI の記事が参考になります。
yum install mysql などのコマンドでMySQL をインストールしたら、MySQL にHeatWave のプライベートIP アドレスを指定して接続します。
mysql -u root -p -h <プライベートIPアドレス>
接続出来たら、以下のコマンドでテーブルを作成しましょう(例としてsync を使用)。
mysql> CREATE DATABASE sync;
以下のコマンドを実行して、作成したテーブルが含まれていればOKです。
mysql> SHOW DATABASES;
次に、クロスプラットフォーム版CData Sync をダウンロードして、Linux インスタンスにscp コマンドなどでコピーしておきましょう。
Sync はこちらのページから30日間無償トライアルがダウンロードできますので、お気軽にお試しください。
インスタンスにssh 接続してCData Sync をインストールしていきます。
コピーしておいたCDataSync.tar.gz ファイルをtar コマンドで任意のディレクトリに展開します。
tar -xvzf CDataSync.tar.gz -C CDataSync
それでは、CData Sync を起動してみましょう!
CData Sync をインストールしたディレクトリに移動したら以下のコマンドを実行して、Sync を起動します。
java -jar sync.jar
以下のメッセージが表示されていれば、起動は成功です。
INFO: Sync is now running. Please visit http://localhost:8181 to login.それでは、以下のアドレスにクライアントからアクセスして、Sync にアクセスしてみましょう。
http://<インスタンスのパブリックIP アドレス>:8181以下のようなユーザー作成画面が表示されたら準備完了です!ユーザーを作成して、Sync にログインしてみましょう。
ユーザーを作成してCData Sync にログインしたら、データソースとしてPostgreSQL を設定していきましょう。左の[接続]タブをクリックします。
PostgreSQL への接続には、Server、Port(デフォルトは5432)、Database、およびUser、Password のプロパティを設定します。Database プロパティが設定されない場合には、User のデフォルトデータベースに接続します。
パスワード方式によるSSH接続時に必要なプロパティ一覧を以下に示します。
接続文字列形式では以下のようになります。
User=admin;Password=adminpassword;Database=test;Server=postgresql-server;Port=5432;UseSSH=true;SSHPort=22;SSHServer=ssh-server;SSHUser=root;SSHPassword=sshpasswd;
公開鍵認証によるSSH接続時に必要なプロパティ一覧を以下に示します。
接続文字列形式では以下のようになります。
User=admin;Password=adminpassword;Database=test;Server=PostgreSQL-server;Port=5432;UseSSH=true;SSHClientCertType=PEMKEY_FILE;SSHPort=22;SSHServer=ssh-server;SSHUser=root;SSHClientCert=C:\Keys\key.pem;
PostgreSQL にはログベースのCDC 機能があり、CData Sync はCDC に対応したデータレプリケーションを提供しています。これによりPostgreSQL データベースにクエリ負担をかけることなく、効率的にデータベースのデータの追加・更新・削除を同期DB に反映することが可能です。
CDC の利用にはPostgreSQL 側でwal_level の設定値をreplica からlogical に変更する必要があります。これによりLogical Decoding をサポートするのに必要な情報をログに追加するようになります。
SELECT name, setting FROM pg_settings WHERE name='wal_level';
CDC の利用にはPostgreSQL 側でwal_level の設定値をreplica からlogical に変更する必要があります。これによりLogical Decoding
をサポートするのに必要な情報をログに追加するようになります。
C:\Program Files\PostgreSQL\14\data\postgresql.conf
wal_level = replica をlogical に変更し、有効にします。修正後はPostgreSQL の再起動をし、PostgreSQL でwal_level が変更されているか確認します。
SELECT * FROM pg_create_logical_replication_slot('cdatasync_replication_slot', 'test_decoding');
Aurora PostgreSQL におけるCDC の設定方法については、こちらのページをご確認ください。
次に、PostgreSQL データを書き込む先(=同期先)として、MySQL HeatWave を設定します。同じく[接続]タブを開きましょう。
プライベートIPアドレスとポートについてはMySQL Heatwaveの接続タブから確認できます。
CData Sync では、レプリケーションをジョブ単位で設定します。ジョブは、PostgreSQL からMySQL という単位で設定し、複数のテーブルを含むことができます。レプリケーションジョブ設定には、[ジョブ]タブに進み、[+ジョブを追加]ボタンをクリックします。
[ジョブを追加]画面が開き、以下を入力します。
PostgreSQL のすべてのオブジェクト / テーブルをレプリケーションするには、[種類]セクションで[すべて同期]を選択して、[タスクを追加]ボタンで確定します。
作成したジョブ画面で、右上の[▷実行]ボタンをクリックするだけで、全PostgreSQL テーブルのMySQL HeatWave への同期を行うことができます。
PostgreSQL から特定のオブジェクト / テーブルを選択してレプリケーションを行うことが可能です。[種類]セクションでは、[標準(個別設定)]を選んでください。
次に[ジョブ]画面で、[タスク]タブをクリックし、[タスクを追加]ボタンをクリックします。
するとCData Sync で利用可能なオブジェクト / テーブルのリストが表示されるので、レプリケーションを行うオブジェクトにチェックを付けます(複数選択可)。[タスクを追加]ボタンで確定します。
作成したジョブ画面で、[▷実行]ボタンをクリックして(もしくは各タスク毎の実行ボタンを押して)、レプリケーションジョブを実行します。
それでは、実際にHeatWave にPostgreSQL データが同期されているかどうか、OCI インスタンス上のMySQL Shell で確認してみましょう。
mysql> USE sync;
Reading table information for completion of table and column names
You can turn off this feature to get a quicker startup with -A
Database changed
mysql> show tables;
+----------------+
| Tables_in_sync |
+----------------+
| Orders |
+----------------+
1 rows in set (0.00 sec)
Orders が同期されていますね!このように、とても簡単にPostgreSQL からMySQL HeatWave への同期を行うことができました。
CData Sync では、同期ジョブを1日に1回や15分に1回などのスケジュール起動をすることができます。ジョブ画面の[概要]タブから[スケジュール]パネルを選び、[⚙設定]ボタンをクリックします。[間隔]と同期時間の[毎時何分]を設定し、[保存]を押して設定を完了します。これでCData Sync が同期ジョブをスケジュール実行してくれます。ユーザーはダッシュボードで同期ジョブの状態をチェックするだけです。
CData Sync では、主要なデータソースでは、差分更新が可能です。差分更新では、最後のジョブ実行時からデータソース側でデータの追加・変更があったデータだけを同期するので、レプリケーションのクエリ・通信のコストを圧倒的に抑えることが可能です。
差分更新を有効化するには、ジョブの[概要]タブから「差分更新」パネルを選び、[⚙設定]ボタンをクリックします。[開始日]と[レプリケーション間隔]を設定して、[保存]します。
CData Sync は、デフォルトではPostgreSQL のオブジェクト / テーブルをそのままMySQL HeatWave に複製しますが、ここにSQL、またはdbt 連携でのETL 処理を組み込むことができます。テーブルカラムが多すぎる場合や、データ管理の観点から一部のカラムだけをレプリケーションしたり、さらにデータの絞り込み(フィルタリング)をしたデータだけをレプリケーションすることが可能です。
ジョブの[概要]タブ、[タスク]タブへと進みます。選択されたタスク(テーブル)の[▶]の左側のメニューをクリックし、[編集]を選びます。タスクの編集画面が開きます。
UI からカラムを選択する場合には、[カラム]タブから[マッピング編集]をクリックします。レプリケーションで使用しないカラムからチェックを外します。
SQL を記述して、フィルタリングなどのカスタマイズを行うには、[クエリ]タブをクリックし、REPLICATE [テーブル名]の後に標準SQL でフィルタリングを行います。
このようにノーコードで簡単にPostgreSQL データをMySQL HeatWave にレプリケーションできます。データ分析、AI やノーコードツールからのデータ利用などさまざまな用途でCData Sync をご利用いただけます。30日の無償トライアルで、シンプルでパワフルなデータパイプラインを体感してください。
日本のユーザー向けにCData Sync は、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。
CData Sync の 導入事例を併せてご覧ください。