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CData Sync

Microsoft Access にPostgreSQL のデータを連携・統合する方法

ETL / ELT ツールのCData Sync を使って、PostgreSQL データのCDC を使ったAccess へのETL パイプラインをノーコードで作成する方法を解説します。

宮本航太
プロダクトスペシャリスト

最終更新日:2024-01-19
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こんにちは!プロダクトスペシャリストの宮本です。

CData Sync は、数百のSaaS / DB のデータをAccess をはじめとする各種DB / データウェアハウスにノーコードで統合・レプリケーション(複製)が可能なETL / ELT ツールです。本記事では、PostgreSQL データをCData Sync を使ってAccess に統合するデータパイプラインを作っていきます。

CData Sync とは?

CData Sync は、レポーティング、アナリティクス、機械学習、AI などで使えるよう、社内のデータを一か所に統合して管理できるデータ基盤をノーコードで構築できるETL ツールで、以下の特徴を持っています。

  1. PostgreSQL をはじめとする数百種類のSaaS / DB データに対応
  2. Access など多くのRDB、データレイク、データストア、データウェアハウスに同期可能
  3. 業務データのデータ分析基盤へのETL / ELT 機能に特化し、極限まで設定操作をシンプルに
  4. 主要なSaaS データの差分更新やCDC(Change Data Capture、変更データキャプチャ)のサポート
  5. フレキシブルなSQL / dbt 連携での取得データの変換

CData Sync では、1.データソースとしてPostgreSQL の接続を設定、2.同期先としてAccess の接続を設定、3.PostgreSQL からAccess へのレプリケーションジョブの作成、という3つのステップだけでレプリケーション処理を作成可能です。以下に具体的な設定手順を説明します。

CData Sync を使い始める

CData Sync はフルマネージド(SaaS)型・オンプレミス型・AWS でのホスティング、と多様なホスティング環境に対応しています。各オプションで無償トライアルを提供していますので、自社のニーズにフィットするオプションを以下から選択してお試しください。

無償トライアルへ

1.データソースとしてPostgreSQL の接続を設定

まずはじめに、CData Sync のブラウザ管理コンソールにログインします。CData Sync のインストールをまだ行っていない方は本記事の製品リンクからCData Sync をクリックして、30日の無償トライアルとしてCData Sync をインストールしてください。インストール後にCData Sync が起動して、ブラウザ設定画面が開きます。

それでは、データソース側にPostgreSQL を設定していきましょう。左の[接続]タブをクリックします。

  1. [+接続の追加]ボタンをクリックします。 コネクションの追加。
  2. [データソース]タブを選択して、リスト表示されるデータソースを選ぶか、検索バーにデータソース名を入力して、PostgreSQL を見つけます。
  3. PostgreSQL の右側の[→]をクリックして、PostgreSQL アカウントへの接続画面を開きます。もし、PostgreSQL のコネクタがデフォルトでCData Sync にインストールされていない場合には、ダウンロードアイコン(コネクタのアップロードアイコン)をクリックし、[ダウンロード]をクリックすると、CData Sync にコネクタがインストールされます。 データソースの追加。
  4. 接続プロパティにPostgreSQL に接続するアカウント情報を入力をします。

    PostgreSQL への接続には、Server、Port(デフォルトは5432)、Database、およびUser、Password のプロパティを設定します。Database プロパティが設定されない場合には、User のデフォルトデータベースに接続します。

    パスワード方式によるSSH 接続

    パスワード方式によるSSH接続時に必要なプロパティ一覧を以下に示します。

    • User: PostgreSQL のユーザ
    • Password: PostgreSQL のパスワード
    • Database: PostgreSQL の接続先データベース
    • Server: PostgreSQL のサーバー
    • Port: PostgreSQL のポート
    • UserSSH: "true"
    • SSHAuthMode: "Password"
    • SSHPort: SSH のポート
    • SSHServer: SSH サーバー
    • SSHUser: SSH ユーザー
    • SSHPassword: SSH パスワード

    接続文字列形式では以下のようになります。

    User=admin;Password=adminpassword;Database=test;Server=postgresql-server;Port=5432;UseSSH=true;SSHPort=22;SSHServer=ssh-server;SSHUser=root;SSHPassword=sshpasswd;

    公開鍵認証方式によるSSH 接続

    公開鍵認証によるSSH接続時に必要なプロパティ一覧を以下に示します。

    • User: PostgreSQL のユーザ
    • Password: PostgreSQL のパスワード
    • Database: PostgreSQL の接続先データベース
    • Server: PostgreSQL のサーバー
    • Port: PostgreSQL のポート
    • UserSSH: "true"
    • SSHAuthMode: "Public_Key"
    • SSHClientCertType: キーストアの種類
    • SSHPort: SSH のポート
    • SSHServer: SSH サーバー
    • SSHUser: SSH ユーザー
    • SSHClientCert: 秘密鍵ファイルのパス

    接続文字列形式では以下のようになります。

    User=admin;Password=adminpassword;Database=test;Server=PostgreSQL-server;Port=5432;UseSSH=true;SSHClientCertType=PEMKEY_FILE;SSHPort=22;SSHServer=ssh-server;SSHUser=root;SSHClientCert=C:\Keys\key.pem; データソースの追加。
  5. [作成およびテスト]をクリックして、正しくPostgreSQL に接続できているかをテストして保存します。これでレプリケーションのデータソースとしてPostgreSQL への接続が設定されました。

PostgreSQL の変更データキャプチャ(CDC)機能とは?

PostgreSQL にはログベースのCDC 機能があり、CData Sync はCDC に対応したデータレプリケーションを提供しています。これによりPostgreSQL データベースにクエリ負担をかけることなく、効率的にデータベースのデータの追加・更新・削除を同期DB に反映することが可能です。

CDC の利用にはPostgreSQL 側でwal_level の設定値をreplica からlogical に変更する必要があります。これによりLogical Decoding をサポートするのに必要な情報をログに追加するようになります。

  1. PostgreSQL を開き、以下のクエリを実行します。
    SELECT name, setting FROM pg_settings WHERE name='wal_level'; CDC の利用にはPostgreSQL 側でwal_level の設定値をreplica からlogical に変更する必要があります。これによりLogical Decoding をサポートするのに必要な情報をログに追加するようになります。
  2. 次にwal_level の設定変更は、設定ファイルを直接修正します。PostgreSQL インストールディレクトリから、postgresql.conf ファイルを開きます。 ディレクトリ例:C:\Program Files\PostgreSQL\14\data\postgresql.conf wal_level = replica をlogical に変更し、有効にします。修正後はPostgreSQL の再起動をし、PostgreSQL でwal_level が変更されているか確認します。
  3. レプリケーションスロットを使って、Logical Decoding で変更情報をキャプチャするための設定をします。以下クエリを実行することで設定できます。 SELECT * FROM pg_create_logical_replication_slot('cdatasync_replication_slot', 'test_decoding');
  4. 後述のSync ジョブ設定では、「変更データキャプチャ」をレプリケーション種類で選択し、「Logical Replication Slot:」に上記で定義したレプリケーションスロットを入力します。

Aurora PostgreSQL におけるCDC の設定方法については、こちらのページをご確認ください。

2.同期先としてAccess の接続を設定

次に、PostgreSQL データを書き込む先(=同期先)として、Access を設定します。同じく[接続]タブを開きます。

  1. [+接続の追加]ボタンをクリックします。
  2. [同期先]タブを選択して、リスト表示されるデータソースを選ぶか、検索バーにデータソース名を入力して、Access を見つけます。
  3. Access の右側の[→]をクリックして、Access データベースへの接続画面を開きます。もし、Access のコネクタがデフォルトでCData Sync にインストールされていない場合には、ダウンロードアイコン(コネクタのアップロードアイコン)をクリックし、[ダウンロード]をクリックすると、CData Sync にコネクタがインストールされます。 Microsoft Access を同期先に設定。
  4. 必要な接続プロパティを入力します。Microsoft Access との接続には、以下のプロパティが必要です:
    • Data Source:Access データベースのパス。アプリケーションは、データベースへのRead / Write の権限を持っている必要があります。
    • Provider:OLEDB Provider。MS Office 2007 以降では、Microsoft.ACE.OLEDB.12.0 を使います。

    Windows Edition

    Access を同期先として使うには、Microsoft Access Database Engine が必要です。こちら からダウンロードが可能です。

    MS Office 64bit には、64bit Driver が必要ですので、bit を合わせなければならないことに注意します。32bit MS Office では、CData Sync を組み込みサーバーではなくIIS にホストして、32bit アプリケーションを有効化する必要があります。この設定は、Application Pool の[Advanced Settings] で行うことができます。CData Sync のIIS でのホスティングについては、ヘルプのホスティングの項を参照してください。

  5. [作成およびテスト]をクリックして、正しく接続できているかをテストします。
  6. 同期先設定。
  7. これで同期先としてAccess を設定できました。CData Sync では、Access のデータベース名を指定するだけで、同期するPostgreSQL に併せたテーブルスキーマを自動的にCREATE TABLE してくれます。同期データに合わせたテーブルを事前に作成するなどの面倒な手順は必要ありません。もちろん、既存テーブルにマッピングを行いデータ同期を行うことも可能です。

3.PostgreSQL からAccess へのレプリケーションジョブの作成

CData Sync では、レプリケーションをジョブ単位で設定します。ジョブは、PostgreSQL からAccess という単位で設定し、複数のテーブルを含むことができます。レプリケーションジョブ設定には、[ジョブ]タブに進み、[+ジョブを追加]ボタンをクリックします。 ジョブの追加Salesforce の例)。

[ジョブを追加]画面が開き、以下を入力します:

  1. 名前:ジョブの名前
  2. データソース:ドロップダウンリストから先に設定したPostgreSQL を選択
  3. 同期先:先に設定したAccess を選択
データソースの設定Salesforce の例)。

すべてのオブジェクトをレプリケーションする場合

PostgreSQL のすべてのオブジェクト / テーブルをレプリケーションするには、[種類]セクションで[すべて同期]を選択して、[タスクを追加]ボタンで確定します。

作成したジョブ画面で、右上の[▷実行]ボタンをクリックするだけで、全PostgreSQL テーブルのAccess への同期を行うことができます。

オブジェクトを選択してレプリケーションする場合

PostgreSQL から特定のオブジェクト / テーブルを選択してレプリケーションを行うことが可能です。[種類]セクションでは、[標準(個別設定)]を選んでください。

次に[ジョブ]画面で、[タスク]タブをクリックし、[タスクを追加]ボタンをクリックします。 ジョブへのタスク追加Salesforce の例)。

するとCData Sync で利用可能なオブジェクト / テーブルのリストが表示されるので、レプリケーションを行うオブジェクトにチェックを付けます(複数選択可)。[タスクを追加]ボタンで確定します。

タスク選択(Salesforce の例)。

作成したジョブ画面で、[▷実行]ボタンをクリックして(もしくは各タスク毎の実行ボタンを押して)、レプリケーションジョブを実行します。 作成したジョブの実行(Salesforce の例)。

このようにとても簡単にPostgreSQL からAccess への同期を行うことができました。

CData Sync の主要な機能を試してみる:スケジューリング・差分更新・ETL

ジョブのスケジュール起動設定

CData Sync では、同期ジョブを1日に1回や15分に1回などのスケジュール起動をすることができます。ジョブ画面の[概要]タブから[スケジュール]パネルを選び、[⚙設定]ボタンをクリックします。[間隔]と同期時間の[毎時何分]を設定し、[保存]を押して設定を完了します。これでCData Sync が同期ジョブをスケジュール実行してくれます。ユーザーはダッシュボードで同期ジョブの状態をチェックするだけです。 スケジュール実行設定。

差分更新

CData Sync では、主要なデータソースでは、差分更新が可能です。差分更新では、最後のジョブ実行時からデータソース側でデータの追加・変更があったデータだけを同期するので、レプリケーションのクエリ・通信のコストを圧倒的に抑えることが可能です。

差分更新を有効化するには、ジョブの[概要]タブから「差分更新」パネルを選び、[⚙設定]ボタンをクリックします。[開始日]と[レプリケーション間隔]を設定して、[保存]します。

SQL での取得データのカスタマイズ

CData Sync は、デフォルトではPostgreSQL のオブジェクト / テーブルをそのままAccess に複製しますが、ここにSQL、またはdbt 連携でのETL 処理を組み込むことができます。テーブルカラムが多すぎる場合や、データ管理の観点から一部のカラムだけをレプリケーションしたり、さらにデータの絞り込み(フィルタリング)をしたデータだけをレプリケーションすることが可能です。

ジョブの[概要]タブ、[タスク]タブへと進みます。選択されたタスク(テーブル)の[▶]の左側のメニューをクリックし、[編集]を選びます。タスクの編集画面が開きます。

UI からカラムを選択する場合には、[カラム]タブから[マッピング編集]をクリックします。レプリケーションで使用しないカラムからチェックを外します。

SQL を記述して、フィルタリングなどのカスタマイズを行うには、[クエリ]タブをクリックし、REPLICATE [テーブル名]の後に標準SQL でフィルタリングを行います。 レプリケーションのカスタマイズ設定。

PostgreSQL からAccess へのデータ同期には、ぜひCData Sync をご利用ください

このようにノーコードで簡単にPostgreSQL データをAccess にレプリケーションできます。データ分析、AI やノーコードツールからのデータ利用などさまざまな用途でCData Sync をご利用いただけます。30日の無償トライアルで、シンプルでパワフルなデータパイプラインを体感してください。

日本のユーザー向けにCData Sync は、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。

CData Sync の 導入事例を併せてご覧ください。

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