2025年には世界のデータ量が181ゼタバイトに達すると予想されており、企業は情報の扱いに関する戦略を精緻化することで、ビジネスチャンスをデータドリブンに創出しようと奮闘しています。より効果的なデータ戦略を実現するために、企業はデータイネーブルメント、データガバナンス、データマネジメントといった概念を実行に移しています。
最も効果的なデータイニシアチブは、新たなリスクを考慮しながらも、新たな機会を捕らえて自社の資産とします。データイネーブルメント、データガバナンス、データマネジメントといった各コンセプトが、ビジネスの意思決定を強化し、拡大する法的規制に準拠し、データアクセスをセキュアに民主化するためにどのような役割を果たすのか、見ていきましょう。
データイネーブルメントとデータガバナンスが、データマネジメントを成功に導く
データマネジメントは、データの収集、保存、整理、利用を可能にするためのプロセスや実務を幅広くカバーします。データマネジメントには、通常、データモデリングやデータ統合などの分野に加え以下のような分野が含まれます。
・データガバナンスは、高品質なデータの利用を導くためのルールや定義を設定します
・データイネーブルメントは、データへのアクセスやアクションを可能にする技術的なシステムを構築します
データを活用することでより良いビジネス成果が得られることは周知の事実ですが、まず組織はデータに確実かつ一貫してアクセスし、そこから意味を抽出しなければなりません。エンタープライズ データマネジメント戦略とは、大量の組織データを重荷ではなく収益を生み出す資産とすることです。
効果的なデータマネジメントを通じて、データは、データガバナンスによって信頼性・確実性・安全性が検証され、データイネーブルメントによって実用化されます。
データイネーブルメントとは?
データイネーブルメントとは、自社のデータへのアクセスを全社的に促進し、可視化するプロセスです。このプロセスでは、各部門に分散したデータのサイロ化を解消し、データを簡単に収集・統合できるようにする環境を構築します。これによって、経営企画や経理部門はより深く自社のデータを理解し、意思決定やオペレーションの効率化に活用できます。
データガバナンスとデータイネーブルメントの違いとは?
データイネーブルメントは、データガバナンスのポリシーを浸透させるための戦略です。一方、データガバナンスはデータ品質、セキュリティ、コンプライアンスを保証するためのポリシーを策定し、データの制御を実施することを指します。データイネーブルメントがデータへのより広いアクセスと活用を促進する取り組みである一方、データガバナンスは活用されるデータがしっかり保護され、社内で共有されるときもセキュアで制御下に置かれた状態にあることを保証します。
データマネジメントがこれまで以上に重要な理由
あらゆる規模の企業が、かつてない量のデータを生成・収集し、意思決定、業務推進、社内外のパートナーとの効果的なコミュニケーションに役立てています。
データガバナンスやデータイネーブルメントなどのデータマネジメント戦略は、以下のような懸念から組織を守ります。
1. 法的規制
GDPR やCCPA など、より多くの規制遵守要件が世界中の主要な商業地域に現れており、組織がすべての顧客と従業員のデータプライバシーおよびデータセキュリティについて責任を負うようになっています。特に、ヘルスケアや金融サービスなど規制の厳しい業界では、広範な法的問題を回避するためにコンプライアンスが極めて重要です。
データガバナンスポリシーおよびプロセスは、メタデータ管理、SSO、ユーザー権限などの機能によって、組織のコンプライアンスを維持し、組織が機密データを識別して不正アクセスから保護できることを保証します。
2. 費用
大量のデータは、保存、接続、統合にコストがかかります。例えば、医療コンプライアンス規格の中には、患者のデータを数十年間保管するよう求めるものもあります。
組織は多くの場合、データウェアハウス、データベース、およびデータレイクを活用して、長期的なコンプライアンスアーカイブから、複数の顧客エンゲージメントチャネルからの膨大なデータまで、あらゆるものを管理します。しかし、ニーズの変化や、オンプレミスからホストされたクラウドシステムへの移行に伴い、データストレージは複雑になるだけでなくコストもかかります。
最新のデータパイプラインの技術により、組織は日々使用するアプリケーションでデータを複製、変換、活用することができ、データストレージへの投資を有効活用することができます。
3. 生産性
ビジネスチームが効果を発揮するには、すべてのデータを活用して十分な情報に基づいた意思決定を行い、トレンドを分析し、運用を合理化する必要があります。しかし多くの場合、データは何十ものアプリケーションやシステムにまたがってサイロ化されており、ビジネスチームはデータを実用化する前に、カスタム統合を作成してデータを接続するためにIT 部門に依存することを余儀なくされています。
しかし、IT 部門は、ビジネスチームのアプリケーションの微妙な使用方法や、異なるシステムから生成されるデータの専門家ではありません。そのため両チームは、数週間から数カ月かけて、どのデータが適切で、信頼性が高く、実用的であるかを見極めるためのやり取りを続ける必要があるのです。
データイネーブルメントのベストプラクティスを導入することで、組織はIT のボトルネックを解消し、全社的にデータを民主化することができます。使いやすいデータ連携ソリューションにより、Sales Ops などのビジネスチームは、IT 部門にアプリケーションに接続するためのチケットを発行することなく、各自でデータにアクセスして対応することができます。
4. コンペティティブエッジ
データへのアクセスが容易になるにつれ、データドリブンなビジネスが一般的になりつつあります。リーダーは、重要なデータドリブンな意思決定を迅速に行うことを余儀なくされ、さもなければ取り残されるリスクがあります。組織全体のデータにリアルタイムでアクセスすることで、従業員はカスタマージャーニー、財務状況、売上予測などに関する最新の全体像を把握できます。
最新のデータマネジメント戦略の一環として、リアルタイムデータへのアクセスを民主化することで、組織は業務のディスラプションを最小限に抑えながら、より迅速なビジネス上の意思決定をサポートすることができます。
より良いデータマネジメントは、より良いデータ連携から
高度なテクニカルデータスキルが、ビジネス上の意思決定のボトルネックになる必要はありません。最新のデータソリューションを使うことで、ビジネス部門はより多くの連携や統合のニーズに自分たちで対応することができ、また、テクニカルデータチームは独自のワークフローを強化し、ワークロードをシンプルにすることができます。
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