ハイブリッドクラウドの価値とは?

IDC は、企業がクラウドインフラストラクチャとサービスを使用して効率性、柔軟性、およびイノベーションの高速化を実現するにつれて、2025年までにクラウド支出が1兆3千億ドルを超えると予測しています。しかし、”クラウド” という用語には、パブリックからプライベート、そしてその中間の複合型まで、幅広い種類が含まれます。

現在、世界中の企業で最も採用されているクラウドアーキテクチャは、ハイブリッドクラウドです。

※本記事はCData US ブログ What is the Value of Hybrid Cloud? の翻訳です。

ハイブリッドクラウドって何?

組織が活用するすべてのシステム、サービス、およびストレージソリューションは、ハイブリッドクラウド環境を構成しています。企業によって採用するコンピューティングリソースの組み合わせが異なるため、”ハイブリッドクラウド” という言葉にはさまざまな定義があります。テクノロジーベンダーが”ハイブリッドクラウド” を、プライベートクラウドとパブリッククラウドの融合であり、2つのアーキテクチャが一体となってあらゆるコンピューティングニーズを解決するものだ、と説明するのは珍しいことではありません。

しかし実際には、ハイブリッドクラウドアーキテクチャは、各企業に固有のビジネス要件の有機的な進化から生まれることが多く、この結果として得られるアーキテクチャには、パブリッククラウドとプライベートクラウド、およびオンプレミスのIT インフラストラクチャが混在しています。ハイブリッドクラウドを利用することで、IT チームは自社のニーズに最も適したテクノロジーを使い、自社に適したアーキテクチャを設計・維持することができます。

なぜハイブリッドクラウドが人気なのか?

ハイブリッドクラウドの主要な推進力は、”モダンデータスタック” です。これは、今日の企業がデータを収集、保存、変換、分析するために必要なテクノロジーとツールの組み合わせです。クラウド上でデータを操作することで、レガシーなデータスタックでは不可能な方法でデータを分析することができます。レガシーな運用システムは、トランザクションワークロードをサポートするように設計されており、今日の分析ワークロードをサポートするために設計されたものではありません。

ハードウェアに制約があり、インフラストラクチャの負荷が高い環境を分析処理に適応させようとするIT チームは、最新のデータドリブン型ビジネスユニットが必要とする種類の分析およびレポート機能を提供するには、工数とリソースが多すぎることにすぐに気付きました。また、コストの制約、メンテナンス要件、ハードウェアの制限、およびダウンタイムに起因する避けられないスケーラビリティの上限にインフラストラクチャが達したときに、IT チームはこれらステークホルダーの怒りを買うことになりました。

モダンデータスタックはクラウドベースのソリューションであるため、データ処理速度が飛躍的に向上します。レガシーなデータスタックでは処理に数時間かかっていた分析ワークロードが、数分で処理できるようになりました。スタックコンポーネントに内蔵された自動化機能により、スピードはさらに向上します。

モダンデータスタックは、企業が将来の目標を達成するために必要なスケーラビリティを構築しながら、現在のニーズを満たす厳選されたツールの組み合わせを使って、最適なハイブリッドテクノロジーエコシステムを設計するためのオプションを提供します。さらにITチームは、より少ないリソースで、より短時間でスタックをセットアップすることができます。このハイブリッドクラウド環境により、チームは高度な分析、機械学習、AI を使用して生データを貴重なインサイトに変換できます。このような理由から、モダンデータスタックは、実用的なデータをビジネススピードで従業員の手に届けたいと考えるデータドリブン型の企業にとってなくてはならないものです。

ハイブリッドクラウドのデータ統合

ハイブリッドクラウドエコシステムを構築する場合、可能な限りSaaS テクノロジーを選択し、数百のデータソースやターゲットに接続し、ユーザーが数クリックでデータパイプラインを素早くセットアップできるローコード / ノーコードの統合ツールを実装することからはじめることが重要です。目的は、開発から本番に移行する際に頭を悩ませることのない、わかりやすいプロセスを確立することです。

モダンデータスタックの要素には通常、以下のコンポーネントが組み込まれています:

  • データパイプライン:ソースから分析に特化した環境にデータを移行するには、セットアンドフォゲットのデータパイプラインが必要です。理想的には、最初のデータセットを複製し、変更が生じた場合にのみデータの更新を送信することです。CDC をサポートし、ETL とELT の両方で転送中のデータと転送先で保存されているデータに対してデータ変換を実行できるツールが必要です。
  • データウェアハウスまたはデータレイク:分析するデータ構造と形式をサポートする安全なリポジトリターゲットが必要です。
  • 分析ツール:データは分析することで、より多くのビジネス価値を生み出します。ユーザーがデスクトップやモバイルデバイスで分析を行い、結果を表示できるように、さまざまな分析オプションを提供することが重要です。

データをこれらの本番システムから分析に適したクラウド環境に移動することで、IT チームはデータの民主化を促進し、従業員がデータにアクセスできるようにすることが可能です。ビジネスユーザーは、レポート、ビジュアライゼーション、モデリング、意思決定に必要なデータを自由にカスタマイズできるようになります。

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