CData Arc を使ってビジネスチャット「LINE WORKS」のデータをSalesforce に連携する

こんにちは。マーケティング担当の對馬です。

リモートワークの定着化などにより、ビジネスチャットである「LINE WORKS」を利用する企業が増加しています。ビジネスチャットにもさまざまな利用ケースがあり、社内でのコミュニケーションという利用が第一にイメージができると思います。そして他には、顧客への営業ツールとしての利用ケースも挙げられます。

ワークスモバイルジャパン社が提供するLINE WORKS は、チャットツール「LINE」をベースに開発されており、非エンジニアも使い慣れた操作感でLINE WORKS を利用することが特徴です。営業担当者も顧客も、日常でLINE を使っていれば同じようにLINE WORKS を利用可能であるため、スムーズに導入できます。また電話やメール、郵送よりもより身近なツールとして開封率も高くなるというデータもあります。

そんななか、営業部では顧客とのコンタクトにLINE WORKS を利用していても、他の部署ではSalesforce を利用していて、情報の分断が起きているケースがあります。これは、データ連携が必要となるケースです。CData はLINE WORKS のデータを取得するための事前定義API Profile を開発しました。本記事では、LINE WORKS で追加された顧客データをSalesforce に登録する処理を、CData Arc で作成する手順をご紹介します。

LINE WORKS では、友だち登録されたLINE の情報を「外部ユーザー」として保持します。コンタクト情報には、メールアドレスや電話番号、会社名などが登録可能です。今回はSalesforce にコンタクト情報を集めるため、LINE の名前とLINE WORKS 外部ユーザーID をSalesforce に登録する、という処理を作成します。

必要なもの

  • LINE WORKS
  • Salesforce
  • CData Arc
  • CData API Driver
  • LINE WORKS profile

LINE WORKS 事前設定

LINE WORKS Developer Console でアプリ設定をします。

アプリを追加するとClient IDClient Secret が発行されます。Redirect URL には以下を設定し、追加ボタンで追加します。

http://localhost:8001/src/oauthCallback.rst

OAuth Scopes の管理ボタンから利用するScope を選択します。

CData Arc インストール

CData Arc をインストールします。CData Arc には、30日間の無償トライアルがあります。

インストーラは製品ページより取得できます。

https://arc.cdata.com/jp/

取得したインストーラを実行し、CData Arc をインストールします。

CData API Driver のインストール

CData Arc ではCData Drivers を併せて利用することができます。LINE WORKS には、汎用のCData API Driver を使って接続するため、CData API Driver をインストールします。CData Arc で利用するためには、「ADO.NET」向けのDriver を取得します。CData Drivers は30日間の無償トライアルがありますので、CData API Driver for ADO.NET の評価版をダウンロードします。

https://www.cdata.com/jp/apidriver/download/

取得したインストーラを実行し、Driver をインストールします。

LINE WORKS Profile の取得

汎用のCData API Driver に組み込んで利用する「事前定義API Profile」を取得します。API Profiles は、事前に定義されたAPI スキーマファイルです。LINE WORKS 向けに作成されたProfile と利用することで、汎用のCData API Driver においてもスキーマ定義を省きシームレスにLINE WORKS に接続できます。

API Profiles 一覧からLINE WORKS のProfile をダウンロードします。

https://www.cdata.com/jp/apidriver/download/#profiles

apip ファイルが取得できます。取得したファイルはLINE WORKS への接続時に利用するため、任意の場所に配置してください。(例:C:\Program Files\CData\profile)

CData Arc でのフロー作成

CData Arc を使って、LINE WORKS のデータをSalesforce に登録する処理を作成します。

CData Arc を起動し、フローを作成します。

LINE WORKS データ取得処理

LINE WORKS からコンタクトデータを取得する処理を作成します。左ペインから[CData] コネクタを真ん中の画面にドラッグアンドドロップします。

LINE WORKS 接続設定

コネクタの設定をします。CData API Driver を利用するため、データソースは[CData API]を選択します。API Profile の設定をするため、「高度な設定」タブに移動します。

API Profile の設定をします。

API Profile 項目には、取得したapip ファイルパスを設定します。

例:C:\Program Files\CData\profile\LINEWORKS.apip

Profile Settings には、Developer Console から取得したClient IDClient Secret、そしてScope を設定します。

OAuthClientID=`ClientID`;OAuthClientSecret=`ClientSecret`;Scope=board,board.read,bot,bot.read,calendar,calendar.read,contact.read,group.read,orgunit.read,user.read;

Other にLINE WORKS アプリで設定したコールバックURL を指定します。

callbackurl=http://localhost:8001/src/oauthCallback.rst

設定後、[設定]タブに戻り[Connect to CData API]を押下し接続を確認します。

LINE WORKS データ取得設定

LINE WORKS からコンタクトデータを取得する設定をします。

アクションでは、データ取得のため「Select」を指定します。

テーブルの[追加]ボタンを押下し、「Contacts」を選択します。

LINE で登録したユーザー(外部ユーザー)データのみ取得するため、フィルタ設定をします。

外部ユーザーには「LinkedExternalUserId」にID データが入るため、LinkedExternalUserId がNull ではない、というルールを設定します。

Salesforce 登録処理

Salesforce に登録する処理を作成します。

左ペインの「その他」よりSalesforce コネクタを、真ん中画面にドラッグアンドドロップします。

Salesforce 接続設定をします。接続横の[作成]ボタンを押下します。

接続の名前を指定し、下の[接続]ボタンを押下します。Salesforce ログイン画面が開かれますのでログインし、接続を確立します。

「成功」のメッセージが表示されたら、[保存]ボタンで設定内容を保存します。

データ登録の設定をします。

今回はSalesforce にデータを登録するので、「Upsert」を指定し、Account テーブルを指定します。

Account テーブルのカラムが下に表示されています。今回は名前と外部ユーザーID を登録するため、「Name」と「Description」を選択します。

Upsert は、LINE WORKS の外部ユーザーID をキーにしています。

マッピング

LINE WORKS のデータとSalesforce のカラムをマッピングします。

左ペインの「コア」より「XML Map」を真ん中画面にドラッグアンドドロップします。

コネクタをつなぎ、フローを引きます。

マッピングコネクタを開きます。

ContactNameFirstName とName、LinkedExternalUserId とDescription を紐づけます。

以上でCData Arc の設定は完成です。

実行

フローを実行します。

テスト用LINE WORKS アカウントをLINE で友だち登録をしたので、LINE WORKS から見たときに外部ユーザーに私のLINE アカウントが表示されています。

この外部ユーザーデータをSalesforce に登録します。

「LW取得」コネクタを開き、「アウトプット」タブを開きます。

[受信]ボタンを押下し、LINE WORKS データを取得します。

フローは自動的に動くため、Salesforce のデータを確認します。

Account に追加されています。

説明欄にID も追加されています。

まとめ

CData Arc を使って、LINE WORKS のコンタクトデータをSalesforce に登録できました。

本記事ではシンプルに名前と外部ユーザーID を登録しましたが、LINE WORKS の使い方によってはほかにもさまざまなデータをSalesforce 上で利用することが可能になります。

CData では多くのSaaS 向けのAPI Profile を開発しています。

https://www.cdata.com/jp/apidriver/download/#profiles

また本記事で利用したCData Arc、CData API Drivers は30日間の無償トライアルを用意しております。ぜひ体感してください。

https://arc.cdata.com/jp/

トライアル・お問い合わせ

関連コンテンツ