こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。
今回はJAWS FESTA 2024 in 広島に参加してきたので、その参加レポをお届けます!
ちなみにJAWSの大型イベントは「JAWS DAYS」と「JAWS FESTA」の2つがあるようで、JAWS DAYSは毎年東京で行われ、秋のJAWS FESTAは東京以外の地方で行われるとのこと。
前回のJAWS DAYS の参加レポは以下のリンクからどうぞ!
https://www.cdata.com/jp/blog/jawsdays2024%20_report
会場について
今年の会場は広島県の広島大学でした! 私は宮城県、仙台市から参加だったので、前日のうちに飛行機で移動、その後レンタカーまで広島大学まで行きました。
広島大学は広島駅からも40分ぐらいかかるところだったので、なかなか移動が大変・・・! 朝8時に広島駅を出発して、無事同着しました。
サポーターブース・セッション
ちなみにCData はゴールドの企業サポーターとして、1セッション担当させていただきました!
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/supporter/company/intro/
セッション内容は、まだ発表されて間もない生成AI を駆使してアプリ開発が行える「AWS App Studio」に関するセッションで赤塚さんがAPI 連携と絡めて話してくれました!
AWS App Studio を触ってみよう! API 連携してみよう!
セッションスライドは以下からどうぞ!
https://speakerdeck.com/cdataj/aws-app-studio-wohong-tutemiyou-api-lian-xi-sitemiyou
App Studio は生成AIを絡めてアプリ開発ができるのはもちろん大きなポイントですが、開発は無料で行えるのが一番良いですね! 生成AIを絡めた開発だとどうしてもスクラップアンドビルドを行うのが前提になると思うので、その部分を気兼ねなく試していけるのは重要な部分だと思います。
ちなみに環境構築が一番の鬼門だったようで、隣の席で「環境がなんかおかしいー」とうんうんうなされていたのが印象的でした・・・! みなさんもハマりどころとしてお気をつけください。
API 連携機能も充実していて、Open API Spec を取り込んでアプリ連携にスムーズに実装できるのが良いですね! CData が提供するREST API 生成ツール、CData API Server とも手軽に連携できてました。
ちなみにサポーターブースでは私も大好きなAPI コラボレーションツールのPostman も出展していました! 最近はどこのイベントに行ってもお会いする気がします :)
セッションの感想等
ここからは私が参加したセッションの簡単です!
キーノート:~AIで未来を切り開く~広島県におけるAI活用の取組
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/A-0/
キーノートはなんと広島県知事から広島県におけるAI活用の取組に関するセッション!
コミュニティイベントで県知事が来るってすごい! って驚いていたら、内容も官公庁によくあるようなお固くてぎっちりしたスライドではなく、1枚ワンメッセージのようなスライドになっていて二度びっくりでした!
現在のAIブームを支えているGPU の半導体の製造はmade in 広島なのも知らなかったですねぇ・・・!
さらにそういった製造業としての取り組み、強みにAI を絡めて活用していこう流れがとても良いです。イベント前に食べた牡蠣の養殖にもその取り組みがあるらしく、「かき幼生検出アプリ」というものを作っているようです。
こういった人手を介した判断・ナレッジのアプリ化は良いですねー!
生成AIによる業務利活用アプリを、部門横断チームが3日でPoCを作ってみた!
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/A-1/
次は三菱電機における生成AI のPoC プロジェクトについてのセッション。
AWS からEBA という体験型ワークショップ (Experience-Based Acceleration=EBA) が提供されており、そこに部門横断で参加した内容のレポートとなっていました。こういったお話ってなかなか外に出てこないこともあるかなーと思うので、検討している人たちにとってはとても参考になりますね!
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/application-modernization-acceleration-with-eba-202211/
三菱電機では3つのチームに分かれて、それぞれ組織課題「開発業務効率化」「市場対応DX化」「データ分析サポート」を解決するアプリ開発に望んだとのこと。
個人的に注目したのは「データ分析サポート」のケースです。三菱電機では現在家電IoTソリューションにより爆発的にデータが増えており、このデータをいろんなチームの人たちがうまく活用できる環境を作るのが大きなポイントだったようです。
とはいえ、データ分析する際に必要なるSQL のナレッジに関するスキルセットの差はなかなか大変なようで、そこを解決するための生成AI 連携は良い試みだったとのことでした。
AWSで実現するエレベータ遠隔監視システム 〜グローバルに広がる予防保全の革新〜
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/A-2/
続いてはエレベータ・エスカレーターメーカーのフジテックからシンガポールにおけるAWSを活用したエレベータ遠隔監視システム開発プロジェクトのお話。
エレベータ・エスカレーターの業界は普段もちろんめっちゃお世話になっているものの、全然しらない業界のお話だったのでプロジェクトの背景含めてめちゃくちゃおもしろかったです。
ちなみに今回のプロジェクトはシンガポールでの取り組みらしいです。
シンガポールでは国土が狭いこともあって、高層ビルが多く、エレベータの需要が強い、かつ少子高齢化に伴ってできるだけメンテナンスコスト、リソースを抑制する必要が出てきたため、シンガポール政府によって承認された遠隔監視システムがあればビル管理者は有人点検の頻度を1カ月に1回から3カ月に1回に減らして運行することが認められているそうです。ここを政府主導で取り組んでいるのが良いですねー。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000046269.html
従来はPull型でデータを取りに行っていたところをPush型でAWSサーバー側に配信する仕組みにして、リアルタイムにデータが参照できるような形にしたとのこと。ただ、並列処理におけるテレメトリの取り込みで順次性が損なわれたりという問題もあったらしく、なかなか大変なプロジェクトのようでした。
ちなみにテレメトリにTimestampがあれば、登録した後にOrderし直せるのではないか? と思ってセッションの後に質問してみたところ、どうやらIoTデバイス側のテレメトリにはミリ秒単位レベルの値が無いらしく、そこの部分が課題で発生してしまった問題だったとのことでした。デバイス側は一度作ってしまうと構成し直すのが大変なので、これは他のIoTプロジェクトでも気をつけないといけないポイントですね・・・!
Otafukuグループのデータ分析基盤の構築
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/E-3/
続いて私も大好きオタフクソースの会社「おたふくホールディングス」から、データ分析基盤構築に関するセッション!
個人的に一番楽しみなセッションでした。セッションはおたふくの成り立ちから、会社のカルチャーを含めた話もあってそこもまた良かったです。
プロジェクトとしては、SAP ECC 6.0 からSAP S/4HANA へのリプレースに伴い、データ分析基盤をAWS側で再構築しようという、このあたりに関わったことがある方からすると「わかるわかる」となる話かと思います・・・! まるまるSAP のサービスで賄おうとすると、結構な費用になりますもんね・・・。
もともとSAP BWで作っていた数百種類におよぶ帳票をAWS RedShiftとQuickSightで再構成しようというとても大きな取り組み。SAP やライン管理システムからCSVでデータを取得した後、AWS CLI を通じてAmazon S3のデータレイクにアップ、RedShiftに取り込んで、QuickSight で可視化という流れになっているそうです。最近SAP 連携のセミナーもやっていたのでとても参考になりました。
プロジェクトとしてはこれからが佳境らしいので、陰ながら応援したいですね・・・!
AWSを利用した新しい乗車券システムの構築
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/E-6/
次は広島電鉄における乗車券システム構築プロジェクトのセッションに参加しました。これまた業界の詳しいお話が聞ける楽しいセッションです。
広島電鉄ではPASPYというICカードサービスの老朽化に伴い、メンテナンスコストが増大、MOBIRY DAYS というバーコード決済含めた新しい決済サービスに移行し、そこでAWSを活用したとのこと。
https://www.mobirydays.jp/
それに伴ってCBT方式(Card Based Tracking)からABT方式(Account Based Tracking)に変更したとのことで、AWSメインではないですが、このあたりのお話が知らないことばかりでめちゃくちゃおもしろかったですね。
サーバ更新やリーダーの管理、さらに読み取ったデータのメモリカード回収など、CBT方式のデメリット、ABT方式移行へのメリットが色々とありますね。おそらく他の地域でも今後こういった流れは多くなるんでしょうね。
10000店舗の自動発注システム構築
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/A-7/
次は福井県本社で北陸展開しているドラッグストアを展開しているゲンキー株式会社さんのセッション、10000店舗の自動発注システム構築プロジェクトのお話!
ただ、実際に10000店舗に導入したのではなく、今後10000店舗の増加にも耐えられるよな自動発注システムを構築するぞ! という壮大な野望を含めたセッションでした。
既存の自動発注システムの老朽化に伴い、店舗の増加にシステム運用が追いつかなくなったことから、RedShift を利用した開発に着手したようです。やはりビジネスのスケールメリットに合わせやすいというのは、クラウドベースサービスの大きなメリットですね。
コープのクラウド移行 ~AWS初心者と移行経験者の奮闘記~
https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/A-8/
最後は私も日々お世話になっている生協ことコープのクラウド移行のセッションに参加。ちなみにコープ東北とコープさっぽろ、2つの地域でのそれぞれの取組に関する事例紹介でした。
東北とさっぽろでめちゃくちゃ対象的な取り組みとなっており、東北は現在四苦八苦しながら、敗退を繰り返しながらもシステム移行に現在取組中。そのプロジェクトにおけるチーム構成やアプローチの振り返りや教訓がメイン。
さっぽろはほぼ移行が完了していることもあり、運用やコストに関するお話が中心でした。
各地域毎でこんなにも取り組み方、状況が違うのかとビックリ。ちなみに北海道では、CIO・CDOトップの動き、組織全体としての取り組みへのコミットが対象的と感じました。
https://kn.itmedia.co.jp/kn/articles/2107/01/news046.html
おわりに
最後のクロージングに発表されましたが、来年のJAWS DAYS は3月1日、池袋サンシャインシティで開催とのことです!
JAWS コミュニティの皆様、サポーター、ボランティの皆様、めちゃくちゃ良いイベントをありがとうございました! 牡蠣もたらふく堪能させていただきました!
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