CData Arc でSAP Ariba のデータを連携する方法 - Operational Reporting API for Procurement

by 色川穂高 | 2024年06月19日

CData Arc でSAP Ariba のデータを連携する方法 - Operational Reporting API for Procurement

こんにちは。CData Software Japan の色川です。

CData Drivers はSaaS やDB へのリアルタイム連携を実現する高機能なデータコネクタです。対応するデータソースの数は業界最多級を誇り、その数は日々拡張されています。そんなCData Drivers に最近新しく追加されたデータソースの1つが「SAP Ariba」です。

支出管理(Spend Management)ソフトウェアにおいてリーダー的な存在で、世界最大の電子調達・購買サービスであるSAP Ariba には様々なプロダクトが包括的に含まれており、提供される機能やAPI もプロダクトごとに異なります。現在CData では「SAP Ariba Procurement」「SAP Ariba Source」の2種類のCData Drivers で、SAP Ariba に含まれる各プロダクトのAPI に対応しています。

もちろん、SAP Ariba 用のCData Driver も、CData Arc から利用することができます。SAP Ariba 用のCData Driver とCData Arc を組合せることで、SAP Ariba とのデータ連携自動化(オートメーション)をノーコードで実現することができます。

この記事では、CData Arc とCData SAP Ariba Procurement Driver を利用して、SAP Ariba の「Operational Reporting API for Procurement」から取得できるデータの連携を自動化する方法をご紹介します。

Operational Reporting API for Procurement は、SAP Ariba から業務上の意思決定に有用な調達プロセスのトランザクションデータをレポートとして取得できるAPI です。

この記事ではシンプルなシナリオとして「指定期間内に作成された未確認状態のDirectOrder を取得してCSV 形式でメール添付して通知」するフローを例にご紹介していきます。

シナリオのイメージ

もちろんシンプルなファイル出力に限らず、Arc の豊富なコネクタでSAP Ariba から取得したデータをSaaS やDB へと自動連携することも可能ですので、実際に試す際は関心のある連携シナリオでもぜひトライアルしてみてください。

SAP Ariba

SAP Ariba はSAP 社が提供する支出管理(Spend Management)の分野におけるリーダー的な存在のソフトウェアです。SAP Ariba はクラウド型の電子調達・購買サービスで、バイヤー(購買する企業)とサプライヤー(供給する企業)は、世界最大規模の企業間電子商取引(B2B)ネットワークである「SAP Business Network」を通じて、見積・発注・検収・請求などの購買プロセスを実施します。

SAP Ariba

SAP Ariba は、すべての間接材・すべての購買プロセスをカバーしていますが、他にもサプライヤーや契約の管理に特化した機能や、直接材をカバーするソリューションも提供しています。

CData SAP Ariba Drivers & Connectors

CData Drivers はSaaS やDB へのリアルタイム連携を実現する高機能なデータコネクタです。業界最多級を誇る対応データソースに新しくラインナップされた1つが「SAP Ariba」です。

現在CData では「SAP Ariba Procurement」「SAP Ariba Source」の2種類のCData Drivers で、SAP Ariba に含まれる各プロダクトのAPI に対応しています。それぞれのDriver がカバーする範囲はこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

この記事で扱うOperational Reporting API for Procurement は、CData SAP Ariba Procurement Driver で対応しています。この記事ではOperational Reporting API からシンプルにデータ取得するシナリオをご紹介しますが、このAPI は少しクセもあります。Operational Reporting API の詳細については、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

CData Arc

CData Arc は、CData 製品の中で「自動化/Automate」を担うデータ連携ツールです。「B2B 連携をもっとシンプルに」をコンセプトに、ファイル連携 & DB 連携 & API 連携といったB2B 連携に必要なすべてをノーコード・ローコードでつなぐことができるプラットフォームです。

CData Arc

CData Arc には、全てのCData Drivers をシームレスに利用できるCData コネクタが標準搭載されています。SAP Ariba 用のDriver もCData コネクタから利用します。

SAP Ariba のOperational Reporting API for Procurement

SAP Ariba のOperational Reporting API for Procurement は、調達プロセスのトランザクションデータをレポートとして取得することができます。Operational Reporting API を使用すると、支払いの必要がある請求書や、承認が必要な購買の依頼書など、業務上の意思決定に有用なトランザクションデータを抽出して取得することができます。

SAP Ariba のOperational Reporting API for Procurement

CData SAP Ariba Procurement Driver のOperational Reporting API for Procurement データモデルに標準で用意されているビューやカスタムビューについては、先ほども触れたこちらの記事で詳しく紹介していますが、Operational Reporting API では以下の制約があるとガイドされていますので利用する際には対象の期間やデータ量にも留意してください。

取得可能レコードの最大数 10,000
指定可能な期間範囲の最長 1年間

事前準備

この記事で取得するデータ

この記事ではSAP Ariba の「Operational Reporting API for Procurement」から「Purchase Orders の内、ドキュメントタイプがDirectOrder のトランザクションデータを取得できるビュー」を利用して「指定期間内に作成された未確認状態のDirectOrder」を取得します。

この記事で取得するデータ

この記事で利用する製品

この記事のシナリオでは、CData Arc のWindows 版を利用します。Arc のWindows 版と併せて使う場合、CData SAP Ariba Procurement Driver は、CData ADO.NET Provider for SAP Ariba Procurement を利用してください。どちらも30 日間のトライアルライセンスが提供されていますので、ぜひお手元で試してみてください。 

CData Arc のインストールはこちらの記事を参考にしてください。

SAP Ariba 側に作成が必要なOAuth 接続アプリケーションの作成手順などはこちらの記事を参考にしてください。

SAP Ariba で指定期間内に作成された未確認状態のDirectOrder を取得してCSV 形式でメール添付して通知する

このシナリオで作成する連携フローは以下のような流れになっています。

コネクタ 内容
1 CData SAP Ariba のOperational Reporting API for Procurement から条件に一致するDirectOrder データを取得
2 XMLMap 1 のデータを3 へマッピング
3 CSV XML をCSV に変換
4 Email Send 3 のファイルを添付してメールで送信

このシナリオで作成する連携フロー

ワークスペースの作成

CData Arc では、目的の異なる連携フローを分離できるように、任意の「ワークスペース」を作成することができます。ワークスペースを作成するにはフローページの「ワークスペースを追加」をクリックして作成してください。

ワークスペースの作成

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

最初に「SAP Ariba のOperational Reporting API for Procurement から条件に一致するDirectOrder データを取得(Select)」するCData コネクタを設定します。この連携フローのはじまり(起点)となるコネクタです。コネクタは右上の「+追加」から選択や検索をして追加することができます。またフローキャンバス上での右クリックなどからも追加することができます。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

コネクタID に何を行うコネクタか分かりやすい名前を設定して、実行するアクションも指定します。ここではデータを取得するための「Select」アクションを選択して「+コネクタを作成」します。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

CData コネクタは、様々なCData Drivers に対応するコネクタです。利用するDriver は「データソース」で指定しますので、ここでは「CData SAPAribaProcurement」を選択して、利用するAPIに「OperationalReportingAPIForProcurement-V2」を選択します。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

接続情報に下記の情報を指定します。

  • API Key
  • Realm

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

高度な設定のAuthentication でData Center とEnvironment を指定します。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

同じく高度な設定のOther Driver Settings に下記の情報を指定します。

  • OAuthClientId
  • OAuthClientSecret

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

次にアクションに「Select」が選択されていることを確認して、テーブルを「+追加」します。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

この記事では「DirectOrder_SAP_createdRange」を選択します。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

対象期間をcreatedDateFrom とcreatedDateTo で指定し、OrderConfirmationState が「Unconfirmed」のトランザクションデータを対象にします。この記事では期間を動的に指定するために、カスタムクエリの中でCData Drivers で提供される日付関数を利用しました。記事では実行日時から365 日前の範囲を対象にします。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

WHERE createdDateFrom = DATEADD('d', -365, CURRENT_DATE()) and  createdDateTo = CURRENT_DATE()

「XML 出力をプレビュー」して期待通りのデータがプレビューできることを確認しておきます。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

CData コネクタの場合、デフォルトではレコード単位にアウトプットされて後続に連携されていきます。この記事では後続で1つのCSV ファイルとして扱いたいため、高度な設定の「最大レコード数」を「-1」に設定して、取得されるデータが1つのアウトプットファイルとして生成されるように指定します。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

アウトプットタブの「受信」でデータが取得できることを確認しておきます。

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

CData コネクタ(SAP Ariba Procurement Driver)

これでCData コネクタの設定は完了です。

CSV コネクタ

次に「XML をCSV に変換」するCSV コネクタを設定します。

CSV コネクタ

CSV ファイルのテンプレートとしてこのようなレイアウトのファイルを用意しました。

CSV コネクタ

「カラムヘッダーが存在します」を有効にして、インプットタブから「テストファイルとしてアップロード」します。

CSV コネクタ

CSV コネクタ

CSV コネクタ

CSV コネクタ

これでCSV コネクタの設定は完了です。

XMLMap コネクタ

次に「SAP Ariba から取得したデータをCSV ファイルへ変換(マッピング)」するXMLMap コネクタを設定します。

XMLMap コネクタ

前後のフローをつなげば、それぞれのコネクタで生成されているスキーマ情報が認識されます。

XMLMap コネクタ

この記事では以下のようにマッピングしました。

XMLMap コネクタ

データソース 宛先
OrderID Order_ID
Name Title
TimeCreated Date_Created
Supplier.Name Suppier_Name
TotalCost.Amount TotalCost
TotalCost.Currency.UniqueName Currency

これでXMLMap コネクタの設定は完了です。

Email Send コネクタ

最後に「3 のファイルを添付してメールで送信」するEmail Send コネクタを設定します。

Email Send コネクタ

メールサーバーへの接続情報を構成したら、メッセージの種類を「添付ファイル」に指定して、宛先・件名・メッセージなどを設定します。

Email Send コネクタ

これで「SAP Ariba で指定期間内に作成された未確認状態のDirectOrder を取得してCSV 形式でメール添付して通知する」フローができあがりました。

Email Send コネクタ

連携フローの実行

作成したフローを実行して確認してみましょう。起点となるCData コネクタからフローを実行してみます。「トリガー開始」から「手動で受信」を実行します。これは起点となるCData コネクタのアウトプットタブから「受信」を実行することと同様です。

連携フローの実行

トランザクションのメッセージビューアで、作成したフローの一連の実行状況が確認できます。

連携フローの実行

指定した宛先に、期待した内容のメールが通知されていることが確認できます。

連携フローの実行

連携フローの実行

連携フローの自動実行

CData Arc ではフローを定期実行するスケジューラ機能を持っています。今回のシナリオであれば、フローの起点となるコネクタの「オートメーション」タブで設定することができます。1時間に1度、毎時0分に定期実行する場合は、このように設定します。

連携フローの自動実行

まとめ

この記事では、CData Arc とCData SAP Ariba Procurement Driver を利用して、SAP Ariba の「Operational Reporting API for Procurement」から取得できるデータの連携を自動化する方法をご紹介しました。

支出管理(Spend Management)ソフトウェアにおいてリーダー的な存在で、世界最大の電子調達・購買サービスであるSAP Ariba では豊富な機能とAPI が提供されています。現在CData では「SAP Ariba Procurement」「SAP Ariba Source」の2種類のCData Drivers で、SAP Ariba に含まれる各プロダクトのAPI に対応しています。SAP Ariba との連携についてはOperational Reporting API 以外のシナリオも、また違う機会に紹介したいと思います。

CData Arc はシンプルで拡張性の高いコアフレームワークに、豊富なMFT・EDI・エンタープライズコネクタを備えたパワフルな製品です。CData Drivers との組み合わせで270を超えるアプリケーションへの連携を実現できます。

皆さんのつなぎたいシナリオでぜひ CData Arc を試してみてください。
CData Arc - セキュアなデータ連携とマネージドファイル転送(MFT)

製品を試していただく中で何かご不明な点があれば、テクニカルサポートへお気軽にお問い合わせください。

CData Software Japan - Support Form


この記事では CData Arc™ 2024 - 24.1.8910.0 を利用しています。

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