こんにちは。CData Software Japan の色川です。
CData Arc のデータ連携フローは「Select アクションなど起点(トリガー)となるコネクタでのアウトプット」ではじまり「Upsert アクションなど終端(ターミナル)となるコネクタへのインプット」で終了する流れがもっともスタンダードな構成です。
ただ、シナリオによっては「あるデータソースへのUpsert アクションに成功したら、同じデータ(インプットファイル)を別のデータソースにもUpsert したい」という構成を取りたい場面もあると思います。そんな時に利用頂けるのが、Arc の「成功パス(Success Path)」です。
Arc の「成功パス(Success Path)」は、応用的なフローを構成する際に有用な機能の1つです。先日リリースされたArc 2024(24.1)ではFTP Server コネクタやSFTP Server コネクタでも成功パス(Success Path)がサポートされるようになりました。
この記事では、Arc の「成功パス(Success Path)機能とその利用例」についてご紹介します。
成功パス(Success Path)
Arc の成功パス(Success Path)は、正常に処理(送信)されたインプットファイルをルーティングするコネクタを指定できる機能です。
処理(送信)に失敗したデータ(インプットファイル)をハンドリングするための「エラーパス」と対になる機能として捉えていただくとイメージしやすいかも知れません。以前から提供されていたエラーパスと比べ、成功パス(Success Path)は近年に搭載された比較的新しい機能です。
Arc のフローでは(コネクタを配置した状態のままでは)終端のコネクタからはフローをつなぐことができません(アウトプットファイルが生成されません)ので、例えば「終端コネクタA のUpsert アクションが成功した場合のみ、同じデータ(インプットファイル)を対象にコネクタB のUpsert アクションも実行したい」といった構成は出来ないのでは、と思われるかも知れませんが、そういったシナリオも成功パス(Success Path)を利用するとシンプルに実現することができます。
このようなフローは、成功パス(Success Path)が機能実装される以前も、コネクタの送信後イベントなどでArcScript を利用すれば実現することができましたが、成功パス(Success Path)を利用すれば、とてもシンプルに、かつ可視化された形で構成することができます。
成功パス(Success Path)を指定したいときの操作はとても簡単で、対象コネクタを右クリックして「成功パスを表示」することで指定することができます。
これでコネクタでの処理(送信)が正常に終了したファイル(のみ)が、成功パスの先に指定したコネクタにルーティング(インプット)されるようになります。
以下では、成功パス(Success Path)の利用例を紹介します。
ex) 1. Salesforce へのUpsert が成功したら、そのデータをkintone にもUpsert
「SQL Server から取得(Select)したデータをSalesforce へUpsert して、Upsert が成功した場合のみ、そのデータをkintone にもUpsert したい」と言うシナリオを考えたとき、取得したデータをCopy コネクタで分岐するアプローチでは「成功した場合のみ」を満たすことができません。このようなときに成功パス(Success Path)が有用です。
この例のシナリオであれば、Salesforce へUpsert するコネクタで、成功パス(Success Path)を構成して、そのデータをkintone へのUpsert(するためのマッピングコネクタ)にルーティングすればOK です。
ex) 2. SFTP Server に用意したファイルがダウンロードされたら、そのファイルを添付してメールで通知
先日リリースされたArc 2024(24.1)でFTP Server コネクタやSFTP Server コネクタでも成功パス(Success Path)がサポートされるようになりました。
これにより「SFTP Server に用意したファイルがダウンロードされたら、そのファイルを添付してメールで通知」するフローなどが、とてもシンプルに構成できるようになりました。
この例のシナリオであれば、送信処理(クライアントから着信され、get でダウンロードされる)用に構成されたSFTP Server コネクタで、成功パス(Success Path)を構成して、そのデータをEmail Send コネクタへルーティングすればOK です。
まとめ
この記事では、Arc の「成功パス(Success Path)機能とその利用例」についてご紹介しました。
Arc の「成功パス(Success Path)」を活用すると、実現できる連携シナリオが大きく広がります。Arc 2024(24.1)ではFTP Server コネクタやSFTP Server コネクタでも成功パス(Success Path)がサポートされるようになりました。
CData Arc はシンプルで拡張性の高いコアフレームワークに、豊富なMFT・EDI・エンタープライズコネクタを備えたパワフルな製品です。CData Drivers との組み合わせで270を超えるアプリケーションへの連携を実現できます。
皆さんのつなぎたいシナリオでぜひ CData Arc を試してみてください。
CData Arc - セキュアなデータ連携とマネージドファイル転送(MFT)
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この記事では CData Arc™ 2024 - 24.1.8910.0 を利用しています。
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