こんにちは。CData Software Japan の色川です。
先日開催されたCData 主催のカンファレンス「CData Foundations」は世界の99ヶ国から多くの方に参加いただき、大変活況な2日間でした。Day1 のキーノートでも語られたように、業界最多級のデータソースアクセスを実現する「CData Connectors」をコアに「ライブデータ接続(Live Data Access)」と「データ移動での統合(Data Movement)」のバイモーダルなデータ連携製品群を提供している点は、CData のユニークな強みです。
世界で活用されるデータの総量は日々増加の一途ですが、あるリサーチでは2025年には180億ゼタバイトを超えるだろうという予測も出されています。大きすぎてややピンとこない規模ですが、これは2020年と比べて3倍、2010年と比べると90倍に増えることを指しています。このように増加の一途をたどるデータを有効かつ効率的に活用するには「ライブデータ接続(Live Data Access)」と「データ移動での統合(Data Movement)」を上手く組合せて利用したいシーンも増えてきそうです。
企業内外にはさまざまなセキュリティ境界やアクセス境界が存在しますが『アクセス境界内にある「Live Data Access」できるデータソースはデータ仮想化で迅速・柔軟に統合して分析などに活用して、仮想統合したデータセットをアクセス境界を超えて外部に連携したいときには「Data Movement」のアプローチを活用したい』、そんなシーンも多いのではないでしょうか。
このようなシーンをイメージしながら、この記事では、CData Arc からCData Virtuality で仮想的に統合したデータを連携する方法をご紹介します。
CData Virtuality
CData Virtuality は、エンタープライズグレードのデータ仮想化プラットフォームです。Virtuality のエンタープライズワークロード向けに構築された高機能なデータ仮想化により、企業でのデータジャーニーを加速することができます。
CData Arc
CData Arc は、CData 製品の中で「自動化/Automate」を担うデータ連携プロダクトです。「B2B 連携をもっとシンプルに」をコンセプトに、ファイル連携 & DB 連携 & API 連携といったB2B 連携に必要なすべてをノーコード・ローコードでつなぐことができるプラットフォームです。
この記事のシナリオ
データ仮想化プラットフォームであるCData Virtuality では、JDBC/ODBC など豊富な連携インターフェースを提供しています。この記事では、CData Arc からCData Virtuality が提供するJDBC Driver を利用して、Virtuality 上で仮想的に統合されたデータセットへアクセスして取得します。
この記事の構成は「CData Virtuality Server が提供する仮想データベース(VDB)のクライアントとしてCData Arc からJDBC Driver を利用して接続する構成」と考えて頂けるとシンプルです。
なお、CData Virtuality へのJDBC Driver を利用した接続については、こちらの記事も参考にしていただけます。
事前準備
CData Arc のDatabase Connectors には、SQL Server やOracle、MySQL などの専用コネクタ以外に、汎用のDatabase コネクタが用意されています。Arc の汎用Database コネクタは、任意に構成したJDBC やODBC、ADO.NET Provider などを通じて対象データベースにアクセスできるコネクタです。なお、ODBC やADO.NET Provier の利用はArc の.NET 版に限られます。
この記事では、Windows に導入したCData Arc のクロスプラットフォーム(Java)版から、CData Virtuality のJDBC Driver を利用します。
CData Virtuality JDBC Driver の配置
CData Arc のクロスプラットフォーム(Java)版で、Database コネクタからCData Virtuality が提供するJDBC Driver を利用するための準備はシンプルです。
CData Virtuality が提供するJDBC Driver(datavirtuality-jdbc.jar)を、Arc のインストールディレクトリ配下のlib に配置して、Arc のプロセスを起動すればOK です。デフォルトの構成の場合「C:\Program Files\CData\CData Arc\lib」が配置先ディレクトリです。
Virtuality から取得するデータ
サンプルデータベースとして準備されているMySQLから「Customers」、PostgreSQLから「Orders」テーブル
この記事では、サンプルデータベースとして準備されているMySQLから「Customers」を、PostgreSQLから「Orders」テーブルを仮想統合したView である「CustomersOrder」ビューから取得してみます。
なお、CData Virtuality でのView(仮想統合されたオブジェクト)の作成については、こちらの記事も参考にしていただけます。
CData Arc でCData Virtuality と連携する
ここからはCData Arc のDatabase コネクタを利用して、CData Virtuality からデータを取得するためのポイントをステップバイステップでご紹介していきます。
Database コネクタの作成
Database コネクタでの具体的な設定が、この記事のポイントです。まずCData Virtuality Server からデータ取得するためのDatabase コネクタを作成します。アクションは「Select」で構成します。
ドライバー名に「その他」を選択して、ドライバークラスに「com.datavirtuality.dv.jdbc.Driver」を指定します。
データベースURL に接続文字列を指定します。この記事ではローカルに用意したCData Virtuality Server に対して、jdbc:datavirtuality からはじめるURL 形式の接続文字列で接続しました。指定可能な接続プロパティについては、CData Virtuality のマニュアルに分かりやすく記載されています。
接続テストもスムーズに完了しました。
Database コネクタの「高度な設定」
Database コネクタは接続先を特定しない汎用目的のコネクタのため、CData Virtuality Server との接続には一部調整が必要です。「高度な設定」の「その他の設定」に下記のように指定します。
includeschema=true;
加えて、この記事では「取得したデータを1つのアウトプットファイルにまとめる」ために「最大レコード数」を「-1」に指定しました。最大レコード数の設定は連携するシナリオにあわせて調整してください。
Database コネクタのSelect アクション
接続設定が構成できたら、Select アクションの構成は他のデータソースと同じようにシンプルです。アクションに「Select」が選択されていることを確認したら、テーブルを「+追加」します。
オブジェクトの一覧が取得されますので「views.CustomersOrder」を選択します。
期待するデータが取得できるかを「XML 出力をプレビュー」で確認してみます。期待するデータが取得できそうです。
期待するデータが取得できるかを、実際に「アウトプット」タブの「受信」で確認します。期待するデータが取得できました。
これでCData Virtuality Server からデータ取得するコネクタの構成は完了です。この後のデータを連携したいアプリケーションへのフローは、それぞれのシナリオにあわせて構成してみてください。以下はCData Virtuality で仮想統合されているデータセットを取得してファイル化した上でクラウドストレージであるBox に連携するフローのイメージです。
まとめ
この記事では、CData Arc からCData Virtuality で仮想的に統合したデータを連携する方法をご紹介しました。
活用したいデータが増える一方で、企業内外にはさまざまなデータアクセスの境界が存在します。そのような環境下では「Live Data Access」と「Data Movement」を上手く組合せて活用したいシーンが増えてくると思います。
CData Arc はシンプルで拡張性の高いコアフレームワークに、豊富なMFT・EDI・エンタープライズコネクタを備えたパワフルな製品です。CData Drivers との組み合わせで270を超えるアプリケーションへの連携を実現できます。
皆さんのつなぎたいシナリオでぜひ CData Arc を試してみてください。
CData Arc - セキュアなデータ連携とマネージドファイル転送(MFT)
製品を試していただく中で何かご不明な点があれば、テクニカルサポートへお気軽にお問い合わせください。
CData Software Japan - Support Form
この記事では CData Arc™ 2024 - 24.2.9039.0 を利用しています
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