CData Arc 2024.Q3 アップデート - 主な新機能

by 色川穂高 | 2024年08月01日

CData Arc 2024.Q3 アップデート - 主な新機能

こんにちは。CData Software Japan の色川です。

CData Arc の2024.Q3 アップデートとして新たなビルドの提供を開始しました。

今回のアップデートでは、前回のメジャーアップデートで全面的に刷新されたフローページが一段と強化されています。なかでもフローデザイナーに新しく搭載された「メモ」は、Arc を複数人で共同利用するエンタープライズシーンで特に有効な機能です。また今回のリリースでは、XML Map コネクタやSAP IDoc コネクタなど複数のコネクタで機能や性能・使いやすさなどがブラッシュアップされています。なかでも固定長や可変長のファイルレイアウトを扱えるFlat File コネクタでは「文字コードを指定したバイト長での扱い」など我々マルチバイト語圏での利用シーンに欠かせない機能が搭載されました。今回のアップデートは「エンタープライズシーンでの機能性と使いやすさ」が順調に進化したリリースです。また、24.2 で搭載された新機能に加え、最近リリースされたCData SAP Ariba Driver の組合せで「SAP Ariba との連携」が新たに実現された点も見逃せません。

この記事では、数多くの2024.Q3 アップデートの中から、以下のポイントについてご紹介します。

・フローページの強化(フローデザイナーに搭載されたメモ機能)
・Flat File コネクタの刷新(強化されたマルチバイト対応)
・SAP Ariba との連携(CData Arc + CData SAP Ariba Driver)

フローページの強化(フローデザイナーに搭載されたメモ機能)

フローデザイナーに新しく搭載された「メモ」はその名の通り、作成したフローに関連する情報を、フローキャンパスの好きな場所に記録できる機能です。

フローページの強化(フローデザイナーに搭載されたメモ機能)

ノーコード・ローコードでデータ連携フローを作ることができるArc では、連携フローを開発する技術的なハードルが下がり、作成されたフロー自体はデザイナーによって常に可視化されます。しかし、その連携フローを作成した目的や背景、設計意図や選択・判断などは作成されたフローのみでは伝達することができません。ソースコードのコメントと同じように、これらの実装(フロー構成)のみでは分からない情報こそが、円滑で無駄のない共同作業には重要です。

連携フロー自体に任意のテキストを記録できる「メモ」は、連携フロー自体との情報乖離を発生させにくく、組織やチームの間はもちろん、少し前の自分がどのような意図でそのフローを作成したか、どのような注意事項があるか、をスムーズに確認することができる「属人化を防ぐ有効なツール」です。

フローページの強化(フローデザイナーに搭載されたメモ機能)

「メモ」は機能自体はシンプルですが、応用性が高く、幅広い場面で利活用いただける使い勝手の良い情報共有機能になっています。

Flat File コネクタの刷新(強化されたマルチバイト対応)

Arc のFlat File コネクタは、固定長レイアウトのファイルや、可変長レイアウトのファイルを、XML フォーマットとの間で相互変換するコネクタです。位置区切りや文字区切り、単一ファイルでのマルチレイアウトにも対応する、従来から人気の高い多機能なコネクタです。

Flat File コネクタの刷新(強化されたマルチバイト対応)

今回のリリースでは、複数のコネクタで、その機能や性能・使いやすさなどがブラッシュアップされていますが、このFlat File コネクタでは「文字コードを指定したバイト長ベースでの位置区切り指定」と言った、日本を含めたマルチバイト語圏でのファイル連携に効果的な機能が搭載されました。

主要なSaaS やアプリケーションを含め、近年の主だるソフトウェアにおいては、そのデータはUTF-8 で扱われるようになっていますが、これまでに長年蓄積されたデータの中には、Shift-JIS やEUC-JP、EBCDIC(IBM 漢字)などのエンコードで記録されたモノも多いと思います。特にファイルベースの連携においては、これらの文字コードでエンコードされている固定長レイアウトや可変長レイアウトのファイルを扱いたい機会はまだまだ多いでしょう。

それらのエンコードではシングルバイトとダブルバイトが混在するため、項目長をバイト数ベースで設計されているレイアウトも多いです。これまでのArc では、Flat File コネクタの位置区切りでは文字数基準のみをサポートしていたため、これらのレイアウトを扱うためには事前にArcScript を活用する必要がありました。

今回のアップデートでは「取得するファイルの文字コードを指定するプロパティ(InputEncoding)」と「位置区切りをバイト数基準で実施する事を示すプロパティ(UseByteLength)」が追加され、これらのファイルがFlat File コネクタでスムーズに扱えるようになっています。

Flat File コネクタの刷新(強化されたマルチバイト対応)

Flat File コネクタの刷新(強化されたマルチバイト対応)

Flat File コネクタの刷新(強化されたマルチバイト対応)

SAP Ariba との連携(CData Arc + CData SAP Ariba Driver)

Arc の前回リリース以降に、CData Drivers に新しく加わったのが「CData Drivers for SAP Ariba」です。Arc 24.2 では、このSAP Ariba Driver を利用したSAP Ariba との連携検証が完了している点も見逃せません。

Arc を使ったSAP Ariba との連携では「CData Drivers for SAP Ariba を利用するパターン」はもちろん、従来のSAP Ariba ITK のように「SAP Ariba のData Import/Export タスクをリクエストするパターン」も検討することができます。新しくSAP Ariba データの連携や活用を進めたい方も、これまでの連携構成から段階的に移行したい方も、柔軟に検討頂けると思います。それぞれのパターンについては、ぜひ関連記事をごらんください。

SAP Ariba との連携

SAP Ariba との連携

CData Drivers for SAP Ariba を利用するパターンでのSAP Ariba との連携は、CData Drivers for SAP Ariba をArc と同じ環境に追加導入(ADD-ON)し、Arc のCData コネクタから利用します。

まとめ

この記事では、数多くの2024.Q3 アップデートの中から、主なポイントについてご紹介しました。

今回のアップデートは「エンタープライズシーンでの機能性と使いやすさ」が順調に進化したリリースです。なかでもフローデザイナーに新しく搭載された「メモ」は、Arc を複数人で共同利用するエンタープライズシーンで有効な機能です。また、Flat File コネクタの刷新により日本国内のエンタープライズシーンでニーズの高いレガシーな文字エンコードで作成された固定長・可変長レイアウトの扱いも各段に使いやすくなりました。

この記事で取り上げた新機能以外にも多くの機能強化・機能改善が施されています。詳しく知りたい方はリリースノートを併せてごらんください。

新たなリリースで、より使いやすくなったCData Arc をぜひ試してみてください。

今回リリースされた新たなバージョンに限らず、今ご利用されているバージョンについても、設定や利用方法などご不明な点があれば、テクニカルサポートへお気軽にお問い合わせください。

CData Software Japan - Support Form


この記事では CData Arc™ 2024 - 24.2.8965.0 を利用しています。

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