こんにちは。CData Software Japan の色川です。
先日、CData Arc の最新リリースとして 22.0.8285 の提供を開始しました。新たなメジャーバージョンであるv22 のリリースです。
CData Arc は、これまでArcESB の名で呼ばれ、エンタープライズサービスバス(ESB)プラットフォームとして通信や連携の自動化を実現してきました。
そして今回、ArcESB はCData 製品群に加わり、CData Arc としてリブランドされました。このリブランドは、CData Arc がESB の枠を超えて、オンプレミスやクラウドでコード不要のモダンなB2B 連携を実現するために成長し続けることを表しています。CData Arc は、B2B ワークフローを接続、統合、自動化するためのシンプルでモダンなソリューションとして、CData 製品群の中で自動化(Automate)の領域を担っていきます。
今回のメジャーリリースでは、レポートやフローAPI を筆頭に、シンプルでパワフルなB2B 連携を実現する新機能や機能強化が数多く含まれています。この記事では、主な新機能についてご紹介します。
最新リリースで追加・変更された機能について、詳しくは製品の
リリースノートをご覧ください。
レポート
メニューのトップレベルの1つとして新たに「レポート」機能が加わりました。「レポート」ページではArc の実行状況に関するレポートを作成することができます。
「レポート」機能を使うと、例えば、ファイル処理時間に関するレポートを作成して、フロー内のどのステップに最も時間がかかっているかを確認したり、レポートを使用して、フロー内のどのコネクタで最もエラーが発生しているかを発見したりすることができます。「ステータス」ページではトランザクションの実行結果をはじめ全てのログを確認することができますが、「レポート」機能では、それらのログから集計や分析した結果を得ることができます。
「レポート」には、コネクタに関するデータを扱うレポートと、EDI トランザクションに関するデータを扱うレポートの2つのタイプがあります。数多くのB2B 連携フローが日々実行されている大規模な利用シーンで、実行状況を統計的に観察したり、ボトルネックを発見・分析したいとき、レポート機能が活躍します。
「レポート」は複数作成することができ「レポートの実行]を行うと、指定した設定でレポートが実行され、ビューエリアに結果が表示されます。
「レポート」機能は、スケジューラを内蔵しており、レポートを自動実行するスケジュールを設定することができます。これは、データが頻繁に更新される場合や、レポートに大量のデータが含まれていて実行に時間がかかる場合に役立ちます。
「レポート」の結果は、電子メールで自動的に配信したり、エクスポートして二次活用することも可能です。
レポートはCData Arc Enterprise ライセンスで利用することができます。
フローAPI
CData Arc で作成したフローを外部から利用するための新しい機構として「フローAPI」機能が加わりました。「フローAPI」機能を使うと、モジュール化されたシングルパスのArc フローを作成して、クエリ可能なエンドポイントとして公開することができます。
Arc はフローAPI のエンドポイントに渡されたデータを処理して、その結果をクエリしてきたサービスに返します。つまり、外部のアプリケーションやサービスからArc で作成したB2B ワークフローを実行することができるわけです。この機能を使えば、いま既に利用している運用管理ソフトウェアなどから、Arc のフローと自動化を管理することができます。
作成した「フローAPI」をテストする機能も備えています。
フローAPI は、入力メッセージ1件に対して出力メッセージが1件となるように構成する必要があります。そのためスケジュールや外部処理に基づいてファイルを処理するタイプのコネクタはフローAPI では現在サポートされていません。フローAPI でサポートしていないコネクタは、こちらで確認できます。
「フローAPI」の登場で、Arc で作成したフローを外部から利用するシーンに対応しやすくなりました。CData Arc がエンドポイントを提供する類の機能は、他にも幾つかありますので、簡単にご紹介しておきます。
「
API コネクタ」は、指定したデータベース系データソースからテーブル、ビュー、およびストアドプロシージャをWeb API として公開できるコネクタです。概念的には、
CData API Server のサブセットと考えると分かりやすいかも知れません。複数のSaaS やアプリケーションから連携・統合してデータベースに格納する & 格納データセットをWeb API として公開する、CData Arc ならこの流れを無理なくシンプルに実現することができます。
「
Webhook コネクタ」は、Webhook を受信するためのエンドポイントの公開をサポートします。Webhook コネクタを使えば、外部のクライアントがXML やJSON のペイロードを送信できるエンドポイントを公開することができます。
Webhook コネクタに渡されたXML やJSON のペイロードはArc フローの出力ファイルとして書き込まれ、フロー内の接続されたコネクタに渡されます。Webhook 送信機能があるSaaS とイベント発生時のWebhook で連携したい、こういったシーンではWebhook コネクタが便利です。
「
管理API」は、Arc に組み込まれた管理用のAPI です。Arc のWeb コンソール(Web UI)で実現できることの多くはRESTful な管理API 呼び出しによっても実現できます。Arc はモダンで使いやすいWeb コンソールを提供していますが、開発しているサービスのバックエンドの連携エンジンとしてArc を使いたい、など「連携フローの作成や設定、実行や運用管理などをWeb コンソールを通じたマニュアル操作でなくAPI で自動化したい」、こういったシーンでは管理API が便利です。
フローインポート・エクスポート(利便性・セキュリティ向上)
CData Arc では、フローや個々のコネクタ、およびワークスペース全体をインポートおよびエクスポートすることができます。エクスポートされたフロー、コネクタ、ワークスペースは .arcflow ファイルとして保存され、CData Arc の別のインスタンスにインポートすることができます。この機能は、これまでも非常に多くのお客様に活用されている機能です。
今回、このフローインポート・エクスポートにパスワード保護の機能が加わりました。これまでは認証情報のパスワードなど、機密とすべき暗号化された値は除外してエクスポートされていました。結果、これらの値はインポート先で再設定が必要でした。追加されたパスワード保護機能により、パスワードを指定してエクスポートすると、機密とすべき暗号化された値も含めてエクスポートすることができます。
また、このフローのインポートにおいて、ドラッグ&ドロップで手軽にインポートすることも可能になりました。こういったWeb UI の利便性も着実に強化・改善しています。もちろん従来からの「フローをインポート」からもインポートすることができます。
ビジュアル化された処理待ちメッセージ数
フローデザイナーで、各コネクタに処理待ちのメッセージ数を示すバッジが表示されるようになりました。
処理待ち状況が可視化されるので、ビジーなフローにおけるボトルネックを特定するために役立ちます。
クリーンアップオプションの強化
アプリケーションデータベースとディスクのクリーンアップを即時に行うことができるようになりました。
「間隔(日)」を0に設定すると、クリーンアップタスクはデータベースとディスクからすべてのエントリをクリアします。
新たなアプリケーションコネクタ
WooCommerce やDynamics 365 BC、Square など、新たなアプリケーションコネクタが追加されました。もちろん、それぞれのコネクタでは共有接続に対応しています。これらのデータソースと連携したい場合、CData Drivers の追加インストールは必要ありません。
・WooCommerce
・Dynamics 365 Business Central
・Tally
・Exact Online Connector
・Sage Intacct
・Square
おわりに
v22 でさらにパワフルになったCData Arc をぜひ試してみてください。
リリースされた新バージョンに限らず、今ご利用されているバージョンについても、設定や利用方法などご不明な点があれば、お気軽にテクニカルサポートまでお問い合わせください。
*. ArcESB に関する過去のBlog 記事は、URL などを除き、CData Arc として構成し直しています。
この記事では CData Arc™ 2022 - 22.0.8285.0 を利用しています。
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