グループ会社「屋部土建」の建設DX を推進、営業・人材・勤務データの自動集計が可能に

ゆがふホールディングス(以下、ゆがふHD)は、沖縄県を中心に建設・不動産・ホテルなど多岐にわたる事業ドメインを活かし、オフィス・ホテル開発、公民連携事業を手掛けています。 今回、同グループ内で建築・土木工事事業を担っている株式会社屋部土建(以下、屋部土建)に対し、業務改善プロジェクトを通じて営業・人材・勤務データをデータベースにレプリケーションする仕組みを導入し、BI ツールでモニタリングする仕組みを構築しました。 建設・土木工事プロジェクトのマネージメント向上とグループシナジー創出を基軸とした戦略の立案や迅速な意思決定を実現するための情報基盤を整備することができました。

ゆがふホールディングス(以下、ゆがふHD)は、沖縄県を中心に建設・不動産・ホテルなど多岐にわたる事業ドメインを活かし、オフィス・ホテル開発、公民連携事業を手掛けています。
今回、同グループ内で建築・土木工事事業を担っている株式会社屋部土建(以下、屋部土建)に対し、業務改善プロジェクトを通じて営業・人材・勤務データをデータベースにレプリケーションする仕組みを導入し、BI ツールでモニタリングする仕組みを構築しました。
建設・土木工事プロジェクトのマネージメント向上とグループシナジー創出を基軸とした戦略の立案や迅速な意思決定を実現するための情報基盤を整備することができました。

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Before | 課題

  • 経営層は日々売上や案件の推移を把握したいが、現場の負担を考慮し、週1度の間隔で集計を行っていた
  • 働き方改革への対応で、従業員の勤務時間をリアルタイムに把握する必要があった

After | 導入効果

  • 集計に掛かる負荷を軽減し、最新の売上・案件データを合算してモニタリングすることができるようになった
  • 勤務データのモニタリングが可能となり、長時間労働の是正対策ができるようになった


本件導入を進められた情報企画部の上原 康貴氏、仲宗根 英範氏にお話を伺いました。

Q:今回の取り組みの背景についてお聞かせください。

04上原氏:我々ゆがふHD は、グループ会社の事業企画や業務課題の解決をミッションにしています。
組織の持続可能な成長と競争力強化を目指し、情報企画部としての貢献を検討した結果、データの有効活用に注目したことがきっかけです。そこで、まず初めにBIツールの操作スキル習得と組織全体がデータに馴染むことを目的に、2021年にBIツールを導入しました。それと並行して、組織の問題点を洗い出した際に、グループ企業である屋部土建の営業データの集計方法に課題があることが分かりました。
建設業を担当している屋部土建では案件情報のデータ化が進んでおらず、売上データと案件データが分離していた為、各セクションのマネージャーが毎週売上と案件を集計して合算し、経営層に見通しの報告をするという現状でした。経営層は営業データを日々モニタリングしたいと考えていましたが、それを強く求めると現場の集計作業の負担が増えてしまいます。この現場と経営層に生じているギャップを解決する為には、データの自動集計という形がベストだと考えました。
自動集計の仕組みが実現すれば、現場の集計作業の負担を軽減し、経営層が最新の営業データを意思決定に利用できるので双方にとって大きなメリットがあること、そして、既に導入済のBIツールが活用できることを社内に説明し、2023年にプロジェクトがスタートしました。
さらに、このプロジェクトを進める上で、営業データと一緒に取得が必要なデータがありました。それは人材・勤務データです。事業の継続には法令の遵守が重要です。案件の受注計画を策定する際には受注金額だけでなく、勤務時間を考慮し資格保有者の配置ができるか人材面も考慮する必要があります。
その為、資格保有者情報や勤怠情報などの人材データも整備を行い、人材面も考慮して意思決定ができる環境構築を行いました。

プロジェクトはマイルストーンとして以下の3つのStep に分けて推進しました。

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Step1.屋部土建の営業・人材・勤務データの整備

屋部土建では、売上・案件管理にSalesforce を導入しました。売上、案件データに一貫性を持たせることでセクション毎の個別管理から企業内の統一した管理への切り替えを行いました。
資格保有者の情報はkintone に入力しています。これにより誰がどの資格を保有しているのかなど、必要な情報をすぐに把握することができるようにしました。
勤怠管理については、クラウドサービスの勤怠管理システムを導入し、現場からでも打刻ができるようにしています。

Step2.ゆがふHD データ分析基盤の構築

データ分析基盤の構築にはCData 社のCData Sync を採用しました。採用理由については後ほど詳しく説明します。

Step3.BI ツールによる営業・人材・勤務データのレポーティング

BI ツールはTableau を利用しています。Tableau からデータ分析基盤に接続し、売上、案件情報、資格者情報、勤怠情報など、データ分析基盤上にある情報をベースにレポートを作成しています。

Q:CData Syncを採用されたポイントをおきかせいただけますか?

仲宗根氏:採用したポイントはコネクタの種類と拡張性、および、ELT アーキテクチャ方式を採用している点です。
屋部土建からのデータ連携ではSalesforce とkintone に加えて勤怠管理サービスからの連携が必要要件でした。CData Sync は日本でよく利用されている国産SaaSやアプリケーションを含む400を超える接続先を標準でサポートしており、リストにないデータソースについてもREST コネクタと呼ばれる汎用性の高いコネクタを利用することでリクエスト時のヘッダーに動的に日付をセットするといった柔軟な設定が出来きることを確認できました。
これは私たちグループでは事業会社によって様々なクラウドサービスやアプリケーションを利用していることもあり、重要なポイントでした。
もう一つの採用のポイントとなったELT アーキテクチャとは、データソースのデータをそのままデータベースに格納し、データベース上で利用目的や用途に応じたデータ加工を行う方式です。
CData Sync はELT方式を採用しており、変換機能と呼ばれるデータを取り込みジョブの後続としてデータマートを作成するジョブを実行することが出来るのでCData Sync の中だけで処理を完結することができる点も採用のポイントとなりました。

Q:弊社製品を使われた感想はいかがですか?どのくらいの期間でデータ利活用を開始できましたか?

仲宗根氏:製品を使用した感想は「接続」「ジョブ」「変換」というシンプルな構成ながら、柔軟な処理ができる印象です。
弊社で実現したいことは全て出来ています。また、今回ツール検証を行うために数週間確保していたのですが、インストールに加えて「Salesforce → PostgreSQL」の初回連携までには1時間も掛かりませんでした。さらには1週間で複数コネクタでの連携ジョブや変換処理を作成でき、まさに当初の目的であったデータ収集コストを削減して、分析フェーズに注力しようという目的に合致した形でした。

Q:CData の問い合わせ(サポート)対応についてはいかがでしたでしょうか?

仲宗根氏:採用ポイントでも述べたREST コネクタですが、実はドキュメントを見ただけではあまり理解できませんでした。とは言え、サポートデスクに接続したいサービスのエンドポイントをお伝えしてみたところ、すぐに接続できる設定ファイルが送られてきてスムーズにPostgreSQL に連携できました。
その後も、細かいチューニングのために何度も問合せしては、リクエスト通りの設定ファイルが送られてきて、本当に安心して検証を進めることができました。

Q:本プロジェクトの効果はいかがでしょうか?

上原氏:今回のプロジェクトは期待通りの効果を発揮しています。
データ収集にかかる現場の負荷を軽減し、経営層は見たいデータをすぐにレポートで確認することができるようになりました。勤怠管理についても想定した時間を超過する可能性がある場合は事前にレポートで把握し対策を打つことができます。
情報の透明性も大幅に向上させることができました。現在は将来に向けた対策として、数年後に資格保有者がどう変化するかのシミュレーションも行っています。

Q:よろしければ今後の展開についてご共有いただけますでしょうか?

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上原氏:屋部土建の業務改善にいては発展途上の段階で、営業・人材・勤務データをミックスしてどの案件にどれくらいのコストが発生したか、人材のコストも含めて現場毎にトータルコストを算出する仕組みを考えています。
他にもCData Sync を使い建設現場で利用しているネットワークカメラからデータを収集し、建設現場の業務効率化に繋げる取り組みや、他グループ会社の財務・人事データをデータ分析基盤へ統合する取り組みを計画しています。

記事公開日:2024年6月26日

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