トプコンは『「医・食・住」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献します。』を経営理念に掲げ、グローバルに医(ヘルスケア)、食(農業)、住(建設)の分野でDX を推進しています。グローバルのERP 統合を行うにあたり、SAP データの分析活用のためにデータパイプラインツールである『CData Sync』を導入しました。CData Sync は、SAP ByDesign のデータを生データの粒度でデータ基盤であるPostgreSQL に複製することができ、分析・BI ツールであるPower BI で容易かつ透過的にデータを扱うことが可能になりました。これにより、経営層と幅広い職種の社員が同じデータで分析や意思決定ができるようになり、データドリブンな業務運営を全組織で加速しています。
Challenges:
- SAP ByDesign データのPower BI での利用
- SAP ByDesign データ対応の連携ツール
- 粒度の細かいデータを透過して分析で利用
Solution:
- CData Sync でSAP ByDesign をDWH に複製
- ELT に特化したシンプルなUI
- 柔軟なSQL で差分更新を実現
本件導入を進められた経営推進本部の中沢透様にお話をうかがいました。
Q: どのような経緯で本プロジェクトが始まったのでしょうか?
中沢氏:弊社ではすでにグローバルの主要な拠点でSAP ECC およびSAP ByDesign の導入プロジェクトが完了しています。次にデータ収集の一元化、つまり経営レベルの集計されたデータを細かいデータの積み上げて透過して管理できるようにするニーズが出てきました。狙いとしては、①一定の制限を加えつつも社内のデータ活用のすそ野を広げることです。DX を進めるにあたり、データの細かい内容を熟知している現場が各々の分析の切り口でデータを活用していくことが重要です。次に、②経営と社員が同じデータを共通言語として使うことです。これは質問のような「プロジェクト」というよりは、当社が継続的に進めているデータ整備やデータ活用推進の中の1 フェーズです。
Q: SAP ByDesign のデータの分析利用にどんなボトルネックがありましたか?
中沢氏:SAP ByDesign に対応するETL / ELT ツールがほとんどないことが一番のボトルネックでした。そのなかで検索からCData Sync がSAP ByDesign をはじめとする多くのデータソース対応をしていることを見つけました。CData のツールは過去に当社での導入実績はなかったのですが、当社はエンジニアがスピーディに製品選定やトライアル実施ができる組織風土を持っているので、すぐに「試してみよう」ということになりました。
Q: CData Sync を実際に使われて選ばれた理由は?
中沢氏: CData Sync にあたり検討した点は、①コネクタ有無、②自社運用が可能、③粒度の細かい生データでの複製、④差分更新です。コネクタについてはCData Sync には、SAP ByDesign とPostgreSQL が両方コネクタとして完備されていました。
当社では、データ一元化については社内ノウハウを蓄積する分野として自社開発・運用で考えていました。すでにERP 導入プロジェクトを通じてSAP ECC データについては熟知していますので必要なピースはDWH へのレプリケーションだけです。CData Sync はレプリケーションに特化しており、使いやすい製品で自社のエンジニアによる設定・運用が簡単だと判断しました。そして今回の目的である「生データ・粒度の細かいデータ」をそのままDWH であるPostgreSQL に複製できました。CData Sync は、ELT(Extract、Load、Transfer)方式で、加工を間に行う必要がないデザインで、シンプルにSAP ByDeSign データをDWH にロードしてくれるところを評価しました。
最後に差分更新については、CData Sync では柔軟なSQL クエリでのデータ取得が可能なことから、差分でのデータ取得とDWH への書き込みを実装することができました。エンジニアが使い慣れたSQL で設定が可能な点は、ラーニングカーブを引き下げてくれました。
Q: 今後CData に求めることはありますか?
中沢氏:透過してデータを見ることができることは今後ますます重要になると考えています。CData Sync を使えば、スピーディにデータソースから粒度の細かいデータをDWH に移すことが可能です。すでに欧州でもCData Sync を導入しています。社内ノウハウを蓄積する自社開発部分に加え、有用なサービスやツールは積極的に使っていく考えです。