菊正宗酒造株式会社は、江戸中期(1659年)、徳川四代将軍家綱の時代に酒造業を開始し、現在では、清酒「菊正宗」「百黙」・焼酎・リキュールの製造販売、化粧品・食品の販売、清酒関連文化事業を展開されています。
この度は、同社が運営する酒造記念館の物販用レジとして導入しているスマレジの売上データをはじめ、見積・請求・振込業務の承認ワークフローとして導入しているコラボフロー、出退勤管理で利用しているKING OF TIMEなど多様なクラウドサービスのデータを社内のSQL Serverに同期することで、基幹システムへのデータの自動連携やポータルサイト、BIツールでのデータ活用を実現されました。
Before | 課題
- 各クラウドサービスからデータを取得するにはそれぞれのAPI仕様を理解した開発が必要となり敷居が高いと感じていた
- 各クラウドサービスから手動でCSVファイルをダウンロード&加工して基幹システムに連携する方法も検討したが、手間が掛かりすぎる点から避けたかった
- スマレジの売上データを簡単に取得出来るツールを見つけることが出来なかった
After | CData製品を導入した効果
- スマレジの売上データについて、API接続に必要なトークン情報をセットするだけで簡単に取得することが出来た
- スマレジでCSVファイルのダウンロードから売上データの発行までの作業に、30分以上掛かっていたが1分以内に発行できるようになった
- スマレジだけでなく社内で活用している他のクラウドサービスのデータもCData Syncひとつでデータを取得でき画期的と感じた
- ジョブのスケジュール機能で手間をかけずにデータ同期を自動化することが出来た
本件導入を進められたシステム室 室長の池田 邦広氏にお話を伺いました。
Q: CData Syncをご検討いただくこととなった背景について教えてください。
池田氏:CData製品との出会いは2017年に遡ります。
当時、社内で活用を進めていたクラウドサービスのkintoneとオンプレミスのシステム間でどのようにデータを連携するか検討していた時に、両者を連携するツールとしてkintone ODBC Driverを導入しました。
その後、当社が運営する酒造記念館でお酒や物販のレジシステムをスマレジに入れ替えたタイミングでこれまで手作業で行っていた、データのダウンロードから基幹システムへの売上データの発行業務を自動化したいと思い、データ同期に特化したCData Syncの導入を検討しました。2021年のことだったと記憶しています。
Q: CData Syncを選定されたポイントをお聞かせいただけますか?
池田氏:スマレジからのデータ取得はAPIを利用したプログラムを開発することで実現できることは知っていましたが敷居が高いと感じており、もっと作業効率を良く簡単に連携が実現出来ないものかと考えていました。
その点、CData Syncはプログラムを書くことなくノーコードで設定ができ、またデータ同期のスケジュールを設定すれば放っておいても定期的にデータ同期が行われるなどそれだけで独立して動作するため、作業効率がとても良いなと思いました。
また、データの連携先はオンプレミスの基幹システムということもあり作業効率だけでなくセキュリティも確保したいと考えていました。CData Syncはオンプレミス環境にも配置可能で、データ同期のための特別なネットワークの変更を必要とせず、ローカルの環境から各種クラウドサービスのデータを取得できるというのもセキュリティの観点から安心だと感じました。
Q: 実際にCData Syncを使われた感想はいかがですか?
池田氏:まずはスマレジからのデータ取得に取り組んだのですが、スマレジの管理画面で取得したAPIアクセスに必要なキーをCData Syncの設定画面に設定するだけで、複数のテーブルがスムーズにSQL Serverと連携することができ「接続さえできてしまえばいいのか!」と驚きました。
また、この連携によりスマレジの売上データをポータル側でも、ほぼリアルタイムに同期が可能になり、関連部署での確認が容易になりました。
困ったことと言えば、KING OF TIMEから従業員の出退勤データを取得しようとした時にデータの同期ジョブが時間帯によって失敗する事がありました。こちらについてはAPIが利用できる時間帯に制限があるというのが調べて分かりました。
また、コラボフローについて、はじめは全ての承認データを取得するためのクエリがわからず戸惑いましたが、CDataのテクニカルサポートに問い合わせることで取得できるようになりました。
困ったのはそれぐらいで、導入以来、トラブルも発生せず安定して稼働しています。
Q: よろしければ今後の展開をご共有ください。
池田氏:全社のデータが集約しているデータベースであるSQL Serverがローカル環境にあるため、外出先からデータを参照するにはVPNを利用する必要があります。
セキュリティーリスク軽減のために、SQL ServerのデータをAzure SQL Databaseなどクラウドサービス上のデータベースに同期することで外出先からはクラウドサービス上のデータベースを参照できる仕組みをCData Syncを利用して構築したいと考えています。
また、クラウドサービスの中にはリアルタイム性が求められるデータも含まれていますので、既存のBIツールからタイムラグなく利用できる仕組みの構成にも取り組もうと計画しています。
これにより、社内外のどこにいても最新のデータに基づいた分析、判断を可能にし、DX(デジタルフォーメーション)による業務改革を進めていきたいと考えています。