あけましておめでとうございます。2017年の始まりにあたり、所感を申し上げます。
2016年は、年末の記事にまとめた通り、海外のAPI ツールベンダーと日本企業のパートナーシップ、大手によるAPI 管理企業の買収、「API エコノミー」というバズワードなどWeb API 、およびAPI 活用ツールに本格的な注目が集まる年でした。
この流れは益々加速し、2017年はAPI 活用のすそ野が広がる年となると考えています。様々なAPI 活用ツールが一般的となることで、エンタープライズアプリケーションを扱っていたエンジニア、さらにオフィスで業務をされる非エンジニアの方々も意識するしないに関わらずAPI 活用の恩恵を受ける時代となるでしょう。
これまではAPI というと、Fintech, IoT に見られるような、新しいサービスを作り出したりマッシュアップを行うTech ベンチャーが扱うもので、一般ユーザーやエンタープライズアプリケーションの開発者には手が出しにくいといったイメージがあったと思います。昨年末に開催したWeb API の活用をテーマにしたコミュニティでのアンケートでも「本格的なSaas アプリケーションや、NoSQL のAPI の業務利用は挫折した経験が多い」という回答が大多数でした。挫折の理由にはWeb API の仕様が統一されていなかったり、ドキュメントなども英語だけであったりという理由が多く挙げられました。
この流れは、①API 仕様の標準化の進展、②API を扱うナレッジの国内での増加、③API を意識せずに使えるツールの活用により、変わっていくでしょう。そしてAPI に関わる皆様は何をトレンドとして意識すべきでしょうか?
以下はアメリカのデータ連携コンポーネント企業であるCData Softwareの一員として、私がアメリカで過去数年に起こったトレンドから考える私見です。そのトレンドに対しCData がご支援できるポイントを添えています。
API を提供する側:
API を提供する側(Saas ベンダーなど)は、まずはAPI を公開すること、次にOpen API などの標準化の流れについていくことが重要となります。パッケージであれSaas であれユーザー企業のデータを扱うソフトウェアはAPI を公開することでユーザーの利便性の向上やAPI エコノミーといわれる拡張性の高い外部コミュニティからの利益を享受することが出来ます。 CData ではAPI Server という製品でRDB からフルスペックのREST API を簡単に生成・ホストできる製品にてAPI の公開をサポートします。
API の活用を助ける側:
API 活用ツールは、IFTTT、Zapier などのPoint-to-point 型のサービスから、ETL ツール、BI ツールなどがありますが、API 連携の内包化(ユーザーが実際にAPI を叩く必要がなくネイティブにAPI につなげること)が競争力の一つとなってくるでしょう。Saas ベンダー(API 提供側)との直接のパートナーシップや、サードパーティ製品の利用が自社開発での努力を補完する方法として存在します。この流れはアメリカでは2年ほど前から一気に加速した流れです。CData Software のドライバー製品群(ODBC/JDBC/ADO.NET)は主要なSaas、NoSQL とのAPI 連携機能実装を簡単に実現します。
API を使う側:
エンジニアやエンドユーザーは、「まずAPI を使ってみる」「使ったらナレッジを共有する」ということが市場全体を盛り上げる為には重要です。いろいろな利用方法、API により生み出される価値、便利なツールなどの情報を共有して頂けることを切に希望します。エンジニアのみならず、ソフトウェアを使う側の「パーソナライズされたデータ利用」はBI のみならず業務のオートメーションも含めデジタルトランスフォーメーションの注目すべきキーワードです。
CData Software Japan は2017年に、API 活用の情報提供の強化や、日本独自のサービスへのAPI ドライバー対応、日本の各種ツールベンダー様とのOEM を含むパートナーシップの強化などにより、日本の皆様のAPI 活用のサポートに邁進致します。
2017年もCData Software をよろしくお願い申し上げます。
2017年1月1日
CData Software Japan 合同会社
代表社員 職務執行者 疋田 圭介
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