仙台人の心をワシ掴みにしている仙台セリ鍋に学ぶCData Sync の話

by Jonathan Hikita | 2021年12月25日

メリークリスマス! CData Japan の疋田です。

本記事はCData Advent Calendar 2021 の25日目の記事です。

Calendar for CData Software | Advent Calendar 2021 - Qiita

CData Software は日本本社が仙台にあります。冬の仙台といえば、定禅寺通りの光のページェント?それとも松島のカキでしょうか?

いやいや、近年急に仙台のグルメとして注目されている『セリ鍋』でしょう! ではセリ鍋とはなんなのか?そしてその人気の秘密についてこの記事で掘り下げます。そのインサイトはCData Sync のプロダクト戦略に通じているのです。

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セリ鍋

セリ鍋とは?

仙台のグルメとして人気を伸ばしているセリ鍋。名前からそのままの食べ物で、鍋にセリを入れて食べます。セリ以外は鶏肉が入ります。店によってはネギや豆腐も入りますが、基本はシンプル。

このセリは10秒-30秒程度しか煮ません。しゃぶしゃぶに近い感覚です。春の七草にも数えられるセリをさっと出汁にくぐらせて食べれば、さわやかで鮮烈な味が口に広がります。またこの根っこの部分がおいしいんです。ごぼうより優しい感じの味です。「根っこ食わないなら、セリ鍋すんな」と仙台ゆかりのの友人は言っております。

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冬になると仙台の居酒屋や和食屋さんの多くはセリ鍋を提供します。言ってしまえばただの葉っぱ系の野菜ですが、なぜセリ鍋はこのように成功しているのでしょうか?

なぜセリ鍋が仙台のグルメとして成功したのか?

私は仙台生まれですが、小さい頃はセリはあんまり食べてなかったです。セリといえば、秋田のきりたんぽに入ってるな、という程度の認識でした。秋田に行って、きりたんぽを食べたらセリの袋に「宮城県産」と書いてあって驚いたことを覚えています。へぇ~、宮城県はセリの生産高が非常に大きいのか、と。

セリはメジャーな食べ物というよりは、きりたんぽなどの鍋の具のひとつ、七草がゆのひとつ、といったOne of Them な野菜でした。おそらく宮城県のセリの生産者たちは「こんなに生産しているセリをもっと多くの消費者に食べてほしい」と考えたことでしょう。

そして出来上がったこのセリ鍋。

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セリ鍋の成功のインサイト

一度セリ以外すべて捨てる

セリ鍋では、セリの味を一番おいしく食べるために具材を削るどころかほぼセリ以外は何もない状況になっています。One of Them なセリをなくてはならないものにするためには、そうです、他の具材を全部無くしてしまえばいいんです。そこから、セリ本来のおいしさを出してくれる最低限の出汁、そして鶏肉を加えて新しい料理として生み出されています。

この「一度ほかの要素を全部取り払った上で、最低限必要なモノだけを足し戻す」というインサイトはとても大事です。ついつい戦略としてほかのものと合わせて使う、という安易な方法に拠ってしまいがちです。しかし、競合となる商品にあふれた今の時代で、オリジナリティを出すのであればほかの要素をあえて捨てる、というアプローチは学ぶところが大きいです。

一つのアクの強いインパクト

そして、セリ鍋で欠かせないのは根っこのインパクト。根っこをここまでおいしく食べられる食べ物はあまり知られていません。この写真を見てください。普通は肉とか魚介とかがセンターに来る鍋のよそい方ですが、セリ鍋は根っこがセンター。これは確信犯の演出です。メッセージとして「おいしい根っこがセンター」というアクの強いメッセージをだすことでファンを獲得していると思われます。

実際に食べてみると根っこは本当においしいんですね。丁寧に洗ってあり泥臭くもなく、アクも強くなく、ゴボウより優しい味です。アクの強いインパクトだからこそ、うれしい方向に裏切られた時の印象が強くなり、ファンの獲得になるのです。これは青汁とか激辛な食べ物の成功にも通じるアク・クセだと思います。

このように、食材にあふれた時代だからこその、戦略でセリ鍋は成功を収めたと言えます。

セリ鍋とCData Sync の共通点- コネクタ部品を最大限に活かす

そんなセリ鍋のインサイトはビジネスでも使えるものです。そして、CData Sync はまさに「セリ鍋インサイトな製品」です。

CData Sync とは?

CData Sync は、SaaS データをRDB やDWH にレプリケーションするデータパイプラインツールです。企業ではどんどんアプリケーションがSaaS にシフトしてきており、データの分析基盤構築のためにDB/DWH にデータを使える形で統合することが必要になってきています。CData Sync は、Salesforce、SAP、NetSuite をはじめ400以上のSaaS やアプリケーションをノーコードでDB/DWH にコピーできる製品です。

www.cdata.com

セリ鍋とCData Sync の商品性の比較

そんなIT 製品であるCData Sync とセリ鍋の商品性がどう同じなのでしょうか? 以下の点でセリ鍋とCData Sync を比較してみました。

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セリ鍋とCData Sync の商品性の比較

どちらも拠点は仙台!東北大好き!

CData Software は、外資ですが、日本本社を宮城県仙台市に構えています。この事実だけで中の人としてはセリ鍋と仲間のつもりなのですが、ちゃんとした理由を検証していきましょう。

もとはEAI / ETL の一要素であるコネクタ屋さん

もともとCData はコネクタ屋さんです。SaaS データにSQL でのアクセスを可能にするライブラリとして、データ連携ツールやBI ツールにセットで使われることで成り立ってきました。データ連携は、対象となるデータにアクセスすること、取ってきたデータをさまざまなロジックで加工すること、データを別のオブジェクトのデータにマッピングすること、データを最終的に別のオブジェクトに書き込むこと、という多くのプロセスによって成り立っています。CData のコネクタは、その大きなアプリケーション間のデータ連携(ETL とよばれる)のなかで、データへのアクセスという一つの要素だけをカバーする製品でした。

そう、きりたんぽの具のひとつであったセリのように。

400 を超えるコネクタを活かすためにシナリオをそぎ落とす

CData がコネクタとしてサポートしているデータ連携製品はどんどん多機能化していきました。もう具沢山の鍋という感じで、しかも複雑なロジックをUI で組めるとか、クレンジング・名寄せ、データ移動を担保する機能などとても重要かつ目立つ機能がどんどん追加されていきます。それらの機能は鍋物の肉や海鮮といえるでしょう。CData は、ただ各種API をSQL でアクセス可能にするだけ。

じゃあ、他の機能は全部なくしても、各種API をSQL にするだけでもいいんじゃないか?

CData ユーザーの利用シナリオの中で、データ分析のために複数のSaaS データをDB にシンプルにコピーするというシナリオに気づきます。CData Sync はこのシナリオだけをカバーする製品としてコネクタをベースに生まれました。

機能は、「コネクタでデータをテーブル状で取得、DB に書き込む、これを繰り返す」だけです。

  • データを変換したり、ロジックを持つことは捨てました

  • データを書き込める先はRDB とDWH だけ

  • マッピングはせずに生のSaaS データを入れるだけ

このようにデータ連携ツールの持っている便利な機能(主役級の具材)をほぼすべてそぎ落とし、CData Sync はSaaS -> DB の単純なレプリケーション機能に特化したツールとしてポジショニングしています。多機能ではなく、コネクタだけが充実しているシンプルなツールです。

(実はこれらの内のいくつかの機能は細かい画面を開くと設定できたりはするのですが、素直に使うと全く見えないです)

REST API がSQL で使えるというアクの強いメッセージ

CData のコーポレートメッセージは"SELECT * FROM CLOUD" です。コーポレートメッセージなのに自然言語(普通の日本語とか英語とか)ですらありません。SQL 言語です。コーポレートメッセージで自然言語ではなくプログラミング言語を使っている会社は、ウチだけではないだろうか?(笑)

しかもSaaS の多くはREST API やSOAP API でデータをリクエストするというのは常識です。クラウド、SaaS と「SQL」はイメージとして全くフィットしません。アクが強すぎですし、クラウド以前の時代のRDB のデータを操作する泥臭いクエリ言語、というインパクトがあります。でも、使ってみるとやっぱり、データ分析にはSQL なんですよね。

実際、CData では、2種類T シャツを用意しているのですが、皆さんがイベントとかで欲しがるのはこっちの"SELECT * FROM CLOUD" T シャツの方です。やっぱり、アクの強いSQL のメッセージがファンを生んでいると思います。 f:id:cdatasoftware:20211224174320j:plain

まとめ

仙台の誇るセリ鍋はプロダクトコンセプトやポジションニング的にとてもすばらしいものです。そして同じ仙台の企業としてそのインサイトを活かして頑張りたいと思います!!

引き続きご支援をよろしくお願いいたします。仙台にいらした際には一緒にセリ鍋を食べましょう。

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